しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年10月26日(土)

千葉大雨 被害拡大

「護岸の改修早く」

周りの屋根 ブルーシートのまま…

 台風15号、19号に襲われた千葉県で再び豪雨による被害が出ました。台風21号の影響で25日は県内各地で大雨に。河川の氾濫が相次ぎ、多くの住民が避難を余儀なくされました。

 (岡素晴、小梶花恵、丹田智之、松沼環、安川崇、和田育美)


写真

(写真)ブルーシートの屋根のまま大雨をむかえた家=25日、千葉県鋸南町(小梶花恵撮影)

 台風15号で住宅の屋根が飛ばされるなどの住宅被害が続発した鋸南(きょなん)町。25日は断続的に強風を伴った横殴りの強い雨が降りました。

道路あちこち冠水

 被害を受けた家屋はブルーシートで応急処置をしたまま。マンホールや側溝から水が噴き上げ、川は濁流に。崖に近い道路には石や泥水が噴き出してきます。道路はあちこちで冠水し、水圧の抵抗で車が速度を落とすほどの深さになりました。

 同町は大雨警報に伴い、4カ所の避難所を開設しました。避難所になった同町竜島のB&G海洋センターには70歳と45歳の母娘が避難していました。

 娘は「家のそばを流れる佐久間川の護岸が壊れている。台風19号で長野県や福島県の被害を見て不安になり避難した」と話します。祖母(96)は足が不自由で避難所内の移動が難しいため、ショートステイに預けました。

 自宅は15号で屋根と外壁が壊れ、ベニヤ板で応急処置をしています。しかし、いろんな色のカビが生え、壊れた壁のそばの床が抜けました。19号の風雨によって、15号では大丈夫だったところから新たに雨漏りがしたといいます。

 母親は「うちは屋根の被害が小さかったからまだまし。周りの家はブルーシートだらけ。避難せずに自宅にいる人もいます。川の護岸を早く直してほしい」と話しました。

川あふれ車流され

 市原市では養老川が氾濫。同市は午後2時15分、南総地区の399世帯893人に災害発生情報(警戒レベル5)を出し、安全確保を呼びかけました。同市によると午後4時現在で622人が避難し、負傷者は出ていません。

 千葉市緑区の緑消防署によると、「川があふれ、車が流された。中に人がいるようだ」との通報が午後0時48分に寄せられました。消防が確認のために同区越智町の村田川に急行。午後4時20分現在で、救出が完了したとの連絡を受けているといいます。

 県印旛土木事務所によると、佐倉市内を流れる高崎川は午後4時ごろまでに水があふれて田んぼに流入したといいます。同川流域では過去に浸水や冠水の被害が発生したため、堤防や護岸などの改修工事が進んでいます。同事務所は「改修が終わっていない区域で堤防が低い部分があり、そこであふれた可能性がある」としています。

 一宮川、豊田川が氾濫した茂原市では、県長生土木事務所が午後4時50分現在で、事務所付近が冠水したまま。職員が出られないため、氾濫現場を確認できていないとしています。


pageup