2019年10月23日(水)
きょうの潮流
多様性の中の統一。共産党の志位さんは野党共闘を語るときにこう表現します。個性があり違いがあっても、互いに尊重しあい、一致点で協力する。そうやって、みんなが一つの輪に入ってくることが大事だと▼ワンチーム。ラグビーのW杯で初めて8強入りを果たした日本代表が掲げてきた言葉です。さまざまな国や文化をもつ選手たちが結束して目標を成し遂げる。主将を務めたニュージーランド出身のリーチマイケル選手は「このチームを誇りに思う」▼今回の日本代表31人のうち、15人は外国出身選手。やり方やプレーの違いからくる戸惑いや反発もあったでしょう。しかし、まとめ役のリーチ選手を中心に話しあい、伝えあい、仲間への信頼を深めてきました▼前大会は1次リーグで3勝しながらも決勝トーナメントに進めず。その壁をどう突破するか。3年前に就任したジョセフ・ヘッドコーチがチームのまとまりとともに求めたのは選手たちの自主性でした▼みずから考え瞬時に的確な判断をくだす。オールブラックスの一員だった経験から、それが世界の強豪と渡りあうためには必要との信念がありました。その中で選手一人ひとりが成長したことが躍進につながったのです▼リーチ選手は多様性に富んだラグビーを通して自分たちが模範になればと願っていました。それぞれを認めあいながら一つになれる社会に。彼らの姿は語りかけるようです。だれもが自由に幸せをつかめる世界をつくっていくのは、自分たち自身の力だと。