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2019年10月20日(日)

家財片付け手つかず

長野 室内の泥出し作業続く

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(写真)豊野地区の被災住宅から家財道具などを運び出すボランティア=19日、長野市

 千曲川の決壊などをもたらした台風19号の本州上陸から、19日で1週間になりました。長野市では、千曲川沿いの地域を中心に床上浸水3305戸(18日正午現在)など多大な被害を受けました。被災現場では、ゴミの片付けや泥の掃除など懸命な作業が続きます。

 19日午前、長野市豊野地区に約30年住んでいた女性(62)の自宅では、ボランティア数人が屋内から家財道具を搬出していました。約1・5メートルの床上浸水に遭った女性は「きょう初めてボランティアが来た。うちには高齢者しかいないので…」と少し安堵(あんど)の表情。一方、玄関先に止めていた自動車が2台とも浸水。「廃車にしたいが、引き取りが順番待ちになっている」と話します。

 床下の泥掃除をしていた男性(76)は「ガスがまだ通っていないので、携帯コンロを使っている。衛生面から壁の張り替えが必要なので、資金も大変になる」と語りました。

 市役所の支所が水没し、千曲川決壊の翌日(14日)は泥が膝まで漬かるほど道路が冠水していた長沼地区。19日午後も道路がぬかるむ中、依然として室内の泥出し作業が各所で続いています。

 自宅が約1・6メートルの床上浸水に遭った男性(57)は、居間に数センチたまった泥を屋外にかき出していました。ボランティアの手も借り「あすには終わるかな」と話しますが、家財道具の片付けは手つかずです。

 寝泊まりは豊野西小学校の避難所という1人暮らしの女性(64)は、兄弟や知人の手を借りながら家財道具を屋外に出しています。「搬出のボランティアを頼んだが、まだ来ていない」との言葉に、人手が不足している状況がみられました。

 こうした被災者の苦境に、日本共産党は現地での救援活動に全力を挙げています。党長野県委員会(鮎沢聡委員長)は台風上陸翌日の13日に災害被害対策本部を設置しました。

 台風上陸から1週間を経て、対策本部は「現場に行き、集めた声を行政に届ける」ボランティア活動の強化を確認。▽避難所の生活環境改善▽災害ゴミの対応▽借り上げ住宅の確保を含め、住宅・生業(なりわい)の再建―のため、被災者の声を聞き、要望に応え、情報を被災者に返す取り組みに力を注ぎます。

 共産党は長野市豊野、篠ノ井(しののい)の2カ所にボランティアセンターを設け、受け付けを開始。豊野地区では19日、午前中に駆けつけた青年らがゴミの撤去や泥出しに協力しました。同日、長沼地区では藤岡義英前県議はじめ党県勤務員らがボランティアに参加。屋内からかき出した泥を袋に詰めて撤去する作業を行い、被災者を激励していました。(山本健二)


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