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2019年10月6日(日)

「多様性」 安倍首相、あなたが言いますか――

所信表明 格差を甘受させる欺まん?

 「みんなちがって、みんないい」。4日の所信表明演説で、「新時代」を連呼した安倍晋三首相は、金子みすゞの詩を引き「新しい時代の日本に求められるのは、多様性であります」と言い放ちました。あなたにだけは言われたくない。心底怒りが湧きました。

 夫婦別姓を望み事実婚である記者は、7月の参院選の党首討論で、選択的夫婦別姓にただ一人反対した安倍首相の姿が目に焼き付いています。同じ場でLGBT(性的少数者)の法的権利にも反対しました。

 所信では、多様性を認め合う社会が「少子高齢化」を克服できるとも。「子どもを最低でも3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」(桜田義孝元五輪担当相)、「LGBTのカップルは子どもをつくらない。つまり生産性がない」(杉田水脈衆院議員)。国家主義思想を押しつける安倍・自民党の「理想の社会」から排除される人が目に浮かびます。

 議場からは「多様性の意味が違う」との声が上がりました。安倍首相の言う「多様性」とは、非正規雇用や、家計のために働かざるを得ない高齢者の増加など、政治が生み出した格差や貧困、生きにくさを「多様な働き方、多様なライフスタイル」の言葉の下、「自己責任」として甘受させるものではないか。生活を支える国家の責任を「画一的」だと放棄する姿勢もにじみ出ています。

 一人ひとりが大切にされ、誰もが自分らしく生きられる社会の実現のため安倍首相の退陣を求めたい。(輝)


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