2019年10月5日(土)
日本共産党国会議員団総会 志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が4日の党国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。
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おはようございます(「おはようございます」の声)。臨時国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
「住み続けられる街への復興」の声にこたえ、公的支援の抜本的強化を
冒頭、この間の台風・豪雨災害で被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。同時に、地元の地方議員、党組織のみなさんと力をあわせての衆参の国会議員団の奮闘に敬意を表します。
私は、先日、畑野(君枝衆院)議員とともに、台風15号で大きな被害を受けた千葉県南部の自治体にうかがい、義援金を届け、要望をお聞きしてきましたが、共通して出されたのは、「住み続けられる街への復興支援を」という要望でした。住宅被害、農林水産業の被害が大きく、このままでは過疎、離農、廃業が進むのではないか――これが一番の不安として語られました。
「住み続けられる街への復興支援を」――これは全国で災害にあわれた地域の共通の声ではないかと思います。この声にこたえて、政府に対し、従来の枠組みにとらわれない公的支援の抜本的強化を求めていきたいと考えております。(拍手)
野党連合政権に道を開く国会活動にとりくもう
さて、この臨時国会にどういう姿勢でのぞむか。私は、開会にあたって、二つの点を訴えたいと思います。
第一は、野党連合政権に道を開く国会活動にとりくもうということであります。
野党の国会共闘を前進させ、連合政権へのモメンタム=勢いを
わが党は、この4年間の共闘の成果を踏まえ、総選挙にむけて、野党としての政権構想をまとめていこう、そのための協議を始めようとよびかけてきました。
これをどうやって前進させるか。もとより野党各党との協議を精力的に進めていきたいと決意しています。同時に、この国会での野党の国会共闘が重要ではないでしょうか(「そうだ」の声)。国会共闘を前進させることに力をそそぎたい。そのことで、野党連合政権へのモメンタム=勢いをつくりだしていきたいと思います。
消費税廃止をめざし、緊急に5%への減税を――国民の願いにこたえた大論戦を
野党共闘でとりくむべき重要な課題が山積みです。
一つは、暮らし応援の政治を求めるたたかいです。
消費税問題は、この国会の最大争点です。
10月1日、安倍政権によって、消費税10%への増税が強行されました。野党は、参議院選挙の共通政策で「10%への増税中止」を公約にしてたたかったわけでありますから、消費税減税で野党共闘を発展させるのは、国民への当然の責任ではないでしょうか。(「そうだ」の声)
日本共産党は1日、消費税廃止をめざし、緊急に5%に減税しようという「国民へのよびかけ」を発表いたしましたが、「5%への減税」が野党の共通政策になるように力をつくしたいと思います。
消費税問題を、今国会のたたかいの大きな柱にすえて、この「よびかけ」も活用していただいて、国民の願いにこたえた大論戦を展開しようではありませんか。(拍手)
年金削減――低年金の方ほど被害が大きくなる「逆進性」を押し付けていいのか
年金問題では、政府は、参議院選挙後になって、5年に1度の「財政検証」を発表しました。「マクロ経済スライド」によって、基礎年金が27~28年間で3割減ることが明らかになりました。低年金の方ほど被害が大きくなることが特徴です。ここでも「逆進性」を押し付けていいのか。これは党派の違いを超えた声になりつつあります。
「マクロ経済スライド」を廃止し、「減らない年金」にしていく。この点でも野党の協力を大いに追求したいと思います。
日米貿易協定――一方的譲歩の屈辱的協定の国会承認を許さない
9月25日、日米首脳会談で、日米貿易協定の合意が交わされました。首相は「ウィンウィン」などといっていますが、どこに「ウィン」の中身があるというのでしょうか。実態はTPP(環太平洋連携協定)水準を超えて日本農業を米国に売り渡し、日米FTA(自由貿易協定)交渉を開始するという、一方的譲歩につぐ譲歩の屈辱的な内容であります。
合意をうけた協定の国会承認を許さず、日米FTA交渉の中止を求めて、国会内外で共同のたたかいを進めようではありませんか。(拍手)
安倍政権のもとでの腐敗と強権を徹底追及――その根を断つ国会に
二つ目に、安倍政権のもとで引き起こされている数々の腐敗と強権を徹底的に追及していくことであります。
関西電力での「原発マネー」還流疑惑、日本郵政グループによるNHKの番組制作への圧力問題、「あいちトリエンナーレ」への補助金「全額不交付」の決定問題など、さまざまな腐敗と強権が、安倍政権のもとで横行しています。
どの問題も日本の民主主義の根本にかかわる大問題であります。野党が連携して、国会の行政監視機能を大いに発揮して、問題点の徹底究明をはかり、腐敗と強権の根を断つ国会にしていこうではありませんか。(拍手)
関電事件――政府の責任で公正中立な第三者機関を立ち上げ、徹底調査を
とりわけ関電事件は、電力会社のトップ、地元自治体の幹部、地元企業の底知れない癒着を示すものとなっています。
明らかになった構図を見れば、誰がどう見ても、国民が払った電力料金を原資にした「原発マネー」の還流そのものではありませんか(「そうだ」の声)。ところが関電はそれをかたくなに認めようとしていません。
だいたい関電の会長も、社長も、金品をもらっていた当事者であり、関電まかせでは肝心の事実は隠されてしまうことは避けられません。私は、関電まかせではなく、政府の責任で公正中立な第三者機関を立ち上げ、徹底的な調査を行うことを強く求めるものであります。(拍手)
同時に、国会の出番であります。国会に関係者を招致し、国会としても徹底的な真相解明にとりくむべきであります。
ほかの電力会社に、同様の不正な金品の授受がなかったのかも含めて、原発利権、とりわけ原発再稼働利権についての徹底調査を行うべきであります。
さらに一言申しますと、こういう状況のもとでの原発再稼働などいよいよもって論外といわなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)
安倍政権のもとでの憲法9条改定は許さない――この企てにピリオドを
三つ目は、安倍首相による憲法9条改定を許さないたたかいです。
参議院選挙では、自民、公明、維新などの改憲勢力が3分の2を割る審判が下りました。「性急な改憲を望まない」という国民の審判がはっきり下りました。にもかかわらず、安倍首相は、内閣と党で露骨な改憲シフトの人事を敷き、「困難な挑戦だが、必ず成し遂げる」と言い放っています。
自民党改憲案の国会への提示は、国民と野党の共同したたたかいで、昨年の通常国会、臨時国会、今年の通常国会と、3国会連続して見送りに追い込んできました。「安倍政権による憲法9条改定は許さない」――この一点で力をあわせ、この企てにピリオドを打つ国会にしていこうではありませんか。(拍手)
歴史的党大会の成功に貢献する国会活動にとりくもう
第二の姿勢として訴えたいのは、来年1月の日本共産党第28回大会成功に貢献する国会活動にとりくもうということであります。
1月の党大会は、歴史的な大会になります。
党大会では、国際情勢論を中心に党綱領の一部改定を行うとともに、野党連合政権にむけた政治方針を明らかにし、強く大きな党づくりのための組織方針を明らかにしていきたいと思います。
大会を成功させることができるかどうかは、「党勢拡大大運動」にかかっている
この大会を成功させることができるかどうか――それはひとえに全党がいまとりくんでいる「党勢拡大大運動」にかかっています。その重要性は、「ひとえに」といっても過言ではありません。
9月の党勢拡大の結果は、入党申し込みが479人と昨年9月の「特別月間」以降最高になりました。新たに入党した同志のみなさんに、この場をお借りして心からの歓迎の気持ちをお伝えしたいと思います(拍手)。「しんぶん赤旗」読者拡大では、全党の大奮闘で、日刊紙・日曜版ともに参議院選挙後の後退から、9月は前進に転ずることができました。重要な第一歩の成果だと思います。
いま党を強く大きくする新しい条件が大きく広がっている
この間、市民と野党の共闘の成功のためにともに活動してきた方々のなかから、「共闘の推進力となっている日本共産党をもっと大きくしたい」と入党する方が広がっています。ジェンダー平等社会をめざす運動を一緒にとりくんできた方、「個人の尊厳を尊重する社会」をめざす党の主張に共感した方、JCPサポーターとして党の躍進のためにすばらしい頑張りをしてきた20人以上の方々などが、次々と入党していることは、たいへんにうれしいことであります。
これらは、いま党を強く大きくする新しい条件が大きく広がっていることを示すものです。9月に開始されたこの前進の流れを、10月、11月、12月、1月と末広がりに発展させ、「前大会時の回復、突破」という党勢拡大の目標を、みんなで力を合わせて必ずやりとげようではありませんか。(拍手)
「さすが日本共産党」と評価していただける「わが党ならでは」の大奮闘を
衆参の国会議員団が、「大運動」の成功に貢献する活動を大いに行いたいと思います。何よりも「大運動」にとりくんでいる全党のみなさんにとって、励みになり、誇りになるような論戦と活動を展開していきたい。
消費税問題の「国民へのよびかけ」がいま大きな反響を呼んでおります。これを縦横に活用して大論戦を展開したいと思います。「さすが日本共産党だ」と多くの国民のみなさんから評価していただける、「わが党ならでは」の大奮闘をやろうではありませんか。
そうした奮闘によって、日々の「しんぶん赤旗」の内容を希望あふれるものとし、前進の糧をつくりだしていきたいと思います。強く大きな党づくりの事業を、全党のみなさんと心一つに成功させ、来年1月の党大会を歴史的大会として大成功させる――このことを誓いあって、あいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)