2019年9月27日(金)
イラン対話 米に促さず
サウジ攻撃「フーシ派説困難」
日米会談で首相
【ニューヨーク=池田晋】安倍晋三首相は25日、ニューヨーク市内で行われたトランプ米大統領との日米首脳会談で、サウジアラビアの石油施設攻撃を受けて緊迫する中東情勢について協議し、緊張緩和と情勢の安定化に向け協力していくことで一致しました。会談後の会見で、安倍氏は「粘り強く対話を続け、できる限りの努力を尽くす」と述べたものの、会談に出席した日本政府高官は「具体的に対話を促す状況でない」とし、米側にイランとの対話は促さなかったと明かしました。
安倍氏は24日にイランのロウハニ大統領と首脳会談を行っており、その結果をトランプ氏に説明。ただ、ロウハニ師は25日の日米会談に先立つ国連総会演説で、米国との対話を改めて拒否。トランプ氏も新たな対イラン制裁を発表し、安倍氏の外交が両首脳にほとんど影響力をもたないことを示しました。
日米首脳は、サウジの石油施設攻撃を強く非難。安倍氏はロウハニ大統領との会談では、攻撃主体について「(反政府武装勢力)フーシ派によるものと疑う見方が多く出ている」と述べていましたが、トランプ氏との会談では「攻撃がフーシ派によるものと考えるのは困難」と発言。イランに責任があるとするトランプ氏に歩調を合わせ、見解を変更しました。
北朝鮮問題や悪化する日韓関係についても議題がおよび、日韓関係について、安倍氏は日本の立場を説明しました。