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2019年9月23日(月)

きょうの潮流

 きょうは秋分の日。〈木の影は木よりも長く秋彼岸〉(友岡子郷)。移ろう季節の漂いを、ふと日々のくらしのなかに感じるときもあるのでは▼ハギ、オバナ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ。春の七草とちがい、秋の七草は愛(め)でて風情を楽しむもの。〈秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花〉。万葉の歌人、山上憶良が詠んだ歌に由来しています▼古くから日本の秋を彩ってきた草花。しかし、キキョウやフジバカマは環境省から絶滅の恐れがあるとされ、地域によっても懸念されている野生の種は多い。おもに開発と乱獲が原因ですが、異常気象の影響も見過ごせません▼「これはまだ始まりにすぎない。変革が起きようとしている」。23日から国連で開かれる気候行動サミットを前に世界160カ国以上にひろがり、400万人が早急な温暖化対策をもとめた一斉行動。火付け役となったスウェーデンの16歳グレタ・トゥンベリさんは、各国首脳にそう呼びかけました▼若者を中心に世代をこえたデモは、日本の各地でも。「地球を守れ、未来を守れ」「気候は変えず、自分が変わろう」―。地球規模で絶滅の危機が進む待ったなしの課題に、傍観者ではなく向き合おうと▼祖先や故人をふり返るとき、人はわが身と取り巻く社会のありように思いをはせることも。連綿とつないできたいのちや営み。それを慈しむ心は国境をこえて共通しているはず。ちなみにキキョウの花言葉は誠実、そして変わらぬ愛です。


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