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2019年9月17日(火)

台風上陸1週間 大雨 被災地追い打ち

千葉 シートかけられず水浸し

 台風15号が首都圏に上陸してから、16日で1週間がたちました。千葉県内での停電は、依然として約7万3300戸(午後8時30分現在、東京電力発表)、断水も1万6743戸(千葉県発表)に上ります。住宅被害は全壊・半壊・一部損壊、床上・床下浸水を含め2815棟に及び農作物に大きな被害が出ています。(小梶花恵)


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(写真)屋根にシートをかぶせた家屋の近くで送電の復旧を急ぐ作業員=16日、千葉県鴨川市(白石光撮影)

 県内では、前線を伴う低気圧の影響で、未明から午前中にかけて強い雨が降ったところがあり、県と銚子地方気象台は午前9時すぎ、県南部の館山市と南房総市に、避難が必要となる危険な状態になっているとして「警戒レベル4相当」の土砂災害警戒情報を出しました。南房総市の白浜地区の18世帯35人には、午前11時すぎ避難勧告を発令しました。

 県南東部の鴨川市では、約3800戸が停電。午前10時40分までの1時間に28・5ミリの雨が降りました。

 同市では前日から壊れた屋根に急いでシートをかける作業が行われましたが、広場地区の男性(66)の自宅は1階まで水浸しになりました。

 男性宅の屋根は、台風で海側の面が全て飛び、シートをかけることもできませんでした。「もう家はむちゃくちゃです。修理をどうしようか…」と思案にくれていました。

屋根なく雨水浸入

「8日間停電」復旧早く

千葉・鴨川

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(写真)台風15号の被害で屋根がとび、雨漏りしている広場地区の男性宅=16日、千葉県鴨川市

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(写真)瓦がはがれ、屋根にシートをかぶせた家屋=16日、千葉県鴨川市

 台風15号で大きな被害を受けた千葉県南部で16日、再び強い雨が降り、新たな被害をもたらしました。

 台風で屋根が飛ばされた鴨川市広場地区の男性(66)の自宅は、ブルーシートがかけられず、2階の夫婦の寝室の床はふやけ、天井が垂れ下がり、空が見えています。階下まで雨水がしみとおり、1階の車庫も天井から雨水が落ちていました。今は隣の母親の家で寝泊まりしています。

 男性宅の100メートル海側に33階建てのホテルがあります。「夏の海風が吹くとあそこからすごいビル風がくる」といいます。「屋根は200メートルくらい飛んだ。去年も台風で屋根が飛んで直したばかり。1000万円近くかかった。1年に1回修理じゃやってらんない。行政の補助があれば助かるが…」と話しました。

 台風の被害を受けた千葉県鴨川市では倒木や倒れた電柱はおおむね撤去されていましたが、屋根にシートをかぶせた家があちこちに見られます。市の担当者は「4700世帯分のシートを配布したが、店で買った人もいるので被害家屋はもっと多い」といいます。

 東京電力によると、鴨川市では台風で約5000戸が停電。16日の時点でも約3800戸が停電し、全面復旧は27日までの予定です。家屋の損傷状況について市はまだ把握できていません。担当者は「人が足りず不眠不休で対応している。まずは電気が回復すれば当面の課題は解決できる」と話しています。

 市役所に情報収集に来た吉尾地区の女性(57)とパートナーの男性(57)宅は屋根の一部が壊れました。吉尾地区ではまだ電気が復旧していない世帯があります。男性は「もう8日間停電」とため息。女性は「洗濯は手洗い。片づけをやろうにも家が真っ暗で家電も使えず、気持ちが落ち込む」と話しました。

 大山公民館に飲み物などの支援物資を取りに来た大山地区の男性(78)宅は屋根が浮き上がってくぎが露出しましたが、ボランティアの大工が修理してくれて雨漏りはありません。家が高いところにあり水をポンプでくみ上げていますが、停電のために使えません。「発電機を持ってきて何とかポンプを動かしたが、出る水が茶色く濁ってさび臭く風呂にも使えない。電気が使えないのがいちばん不便」と話しました。


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