2019年9月15日(日)
きょうの潮流
4人全員が女性になりました。軍縮の取り組みにどんな変化が生まれるでしょうか。ジュネーブ軍縮会議の事務局長にこのほど初めて女性が就任。これで軍縮担当上級代表を含め国連軍縮分野のトップ4役職はすべて女性が担います。国連史上初めてのことです▼「軍縮の議論で女性は男性と異なる見方や経験を示すことができる」。新事務局長に就いたタチアナ・ワロワヤ氏の抱負です。軍縮会議の事務局長は国連欧州本部の事務局長も務めます▼核兵器廃絶の運動をはじめ軍縮と平和の実現へ女性はかけがえのない役割を果たしています。しかし政策を決める会議に臨むのは圧倒的に男性で、女性の数は極めて限られてきたのが現実です▼軍縮問題を扱った過去10年のさまざまな会合について男女比を調べた国連の調査によると、女性の割合は平均で2~3割。なかには女性が一人も参加しなかった会合もありました。政策決定に女性の声を反映させる取り組みは道半ばです▼一方で変化の兆しもうかがえます。2年前に国連で採択された核兵器禁止条約。交渉会議の議長を女性が務め、女性外交官の活躍が目立ちました。条約は女性と男性の「平等な参加」が平和には不可欠だと明記。ジェンダー平等を目指すうえでも画期的な突破口を開きました▼「女性を排除し続けることは人類全体にとって損失だ」。国連事務総長は軍縮分野の課題に「政策決定への女性の全面的で平等な参加」を掲げています。その実現へ新たな挑戦が始まっています。