2019年9月12日(木)
台風被害の千葉
飛んだ屋根 修理いつ
停電 風呂も洗濯も冷蔵庫も…ネット不通「情報を」
台風15号の暴風雨により、千葉県内では街路樹や電柱などが倒れ、家屋被害も生じています。南房総市と館山市では11日、屋根や窓の修理を急ぐ住民の姿がありました。(丹田智之、和田育美)
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停電の続く南房総市。同市富浦町の女性(36)は「風で家がぐらぐら揺れた」と台風襲来時の恐怖を振り返ります。「2階の寝室の窓ガラスが割れ、1階も雨漏りがする状態。雨が降ったら家じゅうが水浸しになるので心配だ」と不安そうに語りました。
「インターネットも使えず情報が入らない。明日の天気や、断水中のトイレの水の流し方などを調べたいが、調べられない」と話します。「営業しているお店を探し回りたいけど、ガソリンの無駄遣いもできない」とも。8歳、5歳、3歳の子どもが食事代わりにお菓子などで過ごすこともあるといいます。
同市では、強風で屋根が被災した住民にブルーシートを配布。夫妻で自宅の屋根の修理をしていた男性(65)は「家の中はめちゃくちゃです。屋根瓦が吹き飛び、近所の家にも迷惑をかけてしまった」と困惑した様子で話しました。
館山市でも強風で吹き飛ばされたトタン屋根の一部や倒木が道路の脇に転がり、道路標識が折れ曲がったままになっていました。営業中のガソリンスタンドには長蛇の車列ができています。
「館山で生まれ育ったが、こんなことになったのは初めてだ」と驚いた様子で話す男性(75)は、自宅の屋根瓦が飛ばされました。
「業者に修理を依頼したら、すでに60件ほどの依頼があると言われた。妻も高齢なので屋根にシートを掛ける作業もできない。親戚にも頼る人がいない」と困り果てた様子で語りました。
2歳と5歳の娘を連れて市役所を訪れた女性(42)は「停電で夜は真っ暗なので子どもたちが怖がる。コインランドリーが開いていないので洗濯もできず、湯沸かし器が使えないので冷水のシャワーを浴びている。冷蔵庫の中の野菜や肉も処分するしかない」と疲れた表情で話しました。