2019年9月11日(水)
停電・断水 暮らせない 千葉市
高齢住宅「熱中症、心配」
台風15号 信号消え、渡れない
台風15号が上陸した千葉市では10日になっても停電が解消されていません。東京電力によると、午後4時44分現在で稲毛区では約800軒、若葉区では約3万軒が停電したままです。千葉市の最高気温は気象庁によると34・7度(観測点は同市中央区)。暑さの中、復旧作業が進みます。
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稲毛区のUR都市機構千草台団地(2100戸)の800戸と団地商店街などがある1丁目では、午後も停電が続きました。団地自治会長の熊切敏雄さん(77)は「高齢者が多い。クーラーが利かず熱中症が心配だ。ホテルや親戚の家に移動する人もいる。まず、電気をなんとかしてほしい」。
稲毛区では日本共産党の、あぐい初美市議が被災者の要望を聞きました。
団地内にある千葉市立千草台保育所は9、10日と停電のため休所に。ボランティアの手もかり、倒れた樹木や飛来物の片付けに追われていました。職員は「142人の子どもの家庭との連絡も大変だ。一斉メールの届かない人には個別で電話をしたが、漏れもでて、子どもを連れてきた人もいた」と話しました。
若葉区では停電で4車線の幹線道路の信号機がつかないままの地域がありました。乳母車と子どもの手をひいた女性(28)は「怖くて道を渡れない。早く何とかしてほしい」と言います。
商店は軒並み休業に。開店していたクリーニング店の女性は「品物を受け取りに来る人のために明るい間だけ開けています」。休業を知らずにコープ東寺山店に買い物に来た男性(76)は「停電は直ったが、ケーブルテレビ、固定電話、ネットがつながらない。通信会社に電話したらホームページを見ろというがネットがつながらないと見られない」と嘆きます。
若葉消防署殿台出張所も停電が続き、クーラーも電気もつかず室内は暗い状態。担当者によると、緊急出動の業務の部分は自家発電で対応できるため支障はありません。「看板が落ちてきそう」「報知器の誤作動を何とかして」といった119番が相次ぎ、対応に追われていました。