しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年9月11日(水)

停電 なお50万軒

台風15号 成田1.3万人一夜

相次ぎ断水 熱中症か93歳死亡

 首都圏に上陸した強い台風15号の影響で、東京電力ホールディングスによると1都6県で最大93万軒の停電が発生しました。10日午後8時時点でも約56万軒で停電しており、全面復旧は千葉県を中心に11日以降にずれ込む見通し。交通機関の乱れで、成田空港では約1万3千人が一夜を過ごしました。日本共産党の議員らが被害を調査しました


千葉県内

写真

(写真)屋根が剥がれ落ちた体育館=10日、千葉市美浜区の稲浜小学校(さいとう和子前衆院議員撮影)

 台風15号による暴風雨が猛威を振るった千葉県内では10日午後8時現在で約53万軒の停電が続きました。配水ポンプが止まった地域では断水も相次ぎ、住民の暮らしに大きな支障が生じています。

 木更津市のスーパー「カスミ」では、停電で電動シャッターが開かなくなり、屋外に売り場を設けて飲料水やカップラーメンなどを販売しました。

 「停電が続くことに備えて食パンなどを多めに買った」という市内の女性(45)。「台風の直後に営業していたコンビニも閉店し、だんだん物が手に入りにくくなっています。この状況が長く続かなければいいですが…」と疲れた様子で語りました。

 医療機関や高齢者施設でも停電の影響が懸念されています。

 君津市の君津山の手病院では全館が停電し、病棟部分のみ非常用電源を確保し、入院患者の対応に追われています。同じく停電が続く同市の老人保健施設「メディケアー君津」では断水で水道が使えず、入居者の健康状態を心配して施設を訪れる家族の姿もありました。

 木更津市や君津市など5市1町で訪問診療を行う上総在宅診療所スタッフの男性(32)は「1人暮らしの高齢の患者も多く、医師が5ルートに分かれて1人ずつ訪問している。今のところ救急搬送の事態には至っていませんが、電話がつながらないので安心できない」といいます。

 君津市役所では、電源車のバッテリーによる携帯電話・スマートフォンの充電コーナーに約300人が並びました。

 2人の子どもを育てる製造業の男性(33)は「市内にある職場も停電し、休業が続いています。時給制で働いているので、収入が減ることが不安です」と、ため息をつきました。

写真

(写真)情報を求めてロビーに集まる住民ら=10日、千葉県君津市役所

 「テレビもインターネットも使えず、いつ電気が復旧するのか、情報が知りたい」と4歳の娘を連れて市役所を訪れた女性(44)。「クーラーが使えないので、熱中症が心配。少しでも早く復旧してほしい」と語りました。

 南房総市では同日午後、停電中の地域で、女性(93)がふとんで倒れているところを家族が発見。病院で死亡が確認されました。千葉県は熱中症とみられるとしています。

(丹田智之)


pageup