2019年8月15日(木)
参院選 共産擁立の統一候補座談会(下)
中林さん 市民運動と力合わせて
松本さん 一致を喜び違い楽しむ
山田さん 政治を変える選択肢に
穀田氏 野党連合政権目指して
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穀田恵二国対委員長・選対委員長 最後に共闘の今後についてです。今回深化した共闘を、それぞれの現場で持続させ、より深める役割をぜひ担っていただきたい。また、共産党を強く大きくし、各党や市民のみなさんに共産党のことをより理解してもらう努力をたゆみなく続けることも重要です。
中林佳子(鳥取・島根選挙区=無所属) 普段から市民運動のレベルで多くの人が力を合わせる枠組みをいかにつくるかが大事だと思っています。
今回、私が統一候補になるにあたってできた「応援する会」の代表世話人に就いてくれた保母武彦さん(元島根大学副学長)が、選挙後、今回のたたかいを発展させるには恒常的な住民組織をつくらなければならないと語り、「自分が役に立つなら、また働きたい」と言ってくれました。
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鳥取でも島根でも、政治を変えたいと野党統一候補を推す母体ができて絆が深まったので、選挙戦だけでなく、地域でのさまざまな住民要求を実現するための組織へ発展して大きな力になればいいなと思っています。
党員の皆さんも活気づいています。選挙中に開いた「まちかど演説会」をまたやってほしいという要請があり、10日に「まちかど演説会・アンコール」をやりました。支部のみなさんが「よし子さんが来てくれるなら、精いっぱい、人を集める」と言ってくれて、その「もっとやりたい」というエネルギーを、強く大きな党づくりにも生かしたいです。
松本顕治(徳島・高知選挙区=無所属) 選挙後に徳島のある地方議員の方に会いに行ったら、「松本さんの訴えは財源まできちんと示していて納得がいった」と言われたんです。共産党は今までも財源を示してきましたが、それが届いていなかったんだなあと。
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いわば、共産党というだけでフィルターをかけて耳をふさいでいる人がたくさんいて、それが、共闘で一緒にたたかうようになって、ふさいでいた手が離れたのではないかと思います。共闘の推進と一体で、ふさいでいる手を離してもらう努力がいっそう重要だと感じました。
今回、青年たちが「どうやったら若い人に届く言葉になるだろうか」と頑張ってくれました。これからも宣伝物、デザイン、言葉を大事にしていきたい。
共産党と他の野党、市民との“接地面積”を増やすことが必要で、党を強く大きくすることが不可欠だと思います。同時に、山田さんの「二つの『うーん』」の話にもあったような、「一致点を喜び、違いを楽しむ」こと、相手を尊重し、共感をもって対話する姿勢をもつ組織へ変化していくことを大事にしたいです。
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山田和雄(福井選挙区=日本共産党公認) 共産党に対して「いいことは言うけど実行力がない」という声が昔からありましたよね。それが、統一候補となって他の党も応援してくれるようになり、「安心して応援できる」「いいこと言ってるのに賭けてみよう」と、見方が変わってきたように感じます。
実際、選挙戦序盤の地元紙の調査で「30代で互角のたたかい」「無党派層の5割は山田を支持」という結果が出て、得票数は共産党候補としては過去最多でした。野党統一候補として、政治を変える選択肢として説得力をもった共産党というのが、そうした指標で示されたと思います。
福井の党員のみなさんには、その力を培ってきたのは自分たちの日々の活動だと自信をもってもらいたい。その自信のもとに、強く大きな党づくりへ足を踏み出そうと呼びかける存在として、これからも活動していきたいです。
穀田 やはり、国民的な期待に応えるだけの量と質をもった、もう一回り大きな党がどうしても必要だと実感します。それが共闘の土台をさらに強くすることにもつながります。そして、野党統一候補でたたかった32の1人区すべてで、共闘を「安倍政権を打倒して新しい政権をつくろう」と、野党連合政権をめざすところまで発展させたいですね。
この4年間、市民と野党は、共同作業を通じて連帯感を生み、連帯感によって信頼関係を育み、信頼によって共闘を深化させるという好循環の運動を続けてきました。これをさらに強く、深くして安倍政権に代わる希望ある政治を打ち出していきましょう。
(おわり)
(この座談会連載は前田美咲が担当しました。(上)は14日付)