2019年8月12日(月)
国民年金 赤字
積立金運用収入8兆円減
厚生労働省は11日までに、2018年度の厚生年金と国民年金の収支決算を発表しました。年金の積立金の運用収入が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株運用の損失拡大などで前年度から8兆円近くも縮小したことから、会社員らが保険料を納める厚生年金は黒字幅が縮小し、自営業者らが保険料を納める国民年金は赤字となりました。
厚生年金の18年度の決算は、短時間労働者への適用拡大などで保険料収入が約1兆円増加。保険料収入や積立金運用収入から給付を差し引いた額は時価ベースで2兆4094億円の黒字となりました。ただ、積立金運用収入が前年度より7兆2268億円減ったことなどから、黒字額は約8兆円減りました。
一方、国民年金は、積立金運用収入が4563億円減ったことなどから、772億円の赤字となりました。
安倍政権は、株価をつり上げてアベノミクスの実績を演出するため、14年にGPIFの運用資産の構成比率を見直し、国内株式と外国株式の割合を大幅に引き上げました。昨年末、株価下落で、わずか3カ月間で過去最悪の15兆円近い損失を出すなど投機的な運用の危険性が浮き彫りになりました。
日本共産党は、GPIFによる積立金の投機的な運用をやめて計画的に取り崩し、年金水準を削減する「マクロ経済スライド」を廃止して“減らない年金”を実現するための財源に充てることを提案しています。