2019年8月8日(木)
空襲被害者「声聞いて」
官邸前「救済もう待てない」
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「もう待てない 空襲被害者救済を!」全国空襲被害者連絡協議会は7日、民間空襲被害者らの救済法実現をめざし首相官邸前で宣伝しました。
灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、「戦争の後始末は済んでいない」と書いた横断幕を掲げ、「安倍首相、聞こえますか」と被害者や遺族らが次々と訴えました。
東京大空襲で家族3人を亡くし1人生き残った吉田由美子さん(78)も発言。空襲によって大量に生み出された戦災孤児の苦しみを切々と訴えました。さらに国は元軍人軍属にはのべ60兆円もの恩給などを支給しながら、民間空襲被害者には一切補償をしていないとして「なぜ74年間も放置したままなのか。謝罪と補償をただちに行ってください」と語りました。
空襲被害者らを救援する援護法案は、国会に野党共同で過去14回(73~88年)提出されましたが、すべて廃案に。2017年、超党派による議員連盟がアジア・太平洋戦争中に空襲などで身体障害を負った生存者に、一時金50万円を支給する素案をまとめましたが実現していません。
宣伝後、国会内で運営委員会を開催。黒岩哲彦運営委員長は、来年で会結成10年を迎えるなか、被害者らが高齢で次々と亡くなっているとして「この1年間が最後の勝負」と強調。今秋の臨時国会、来年の通常国会までには議員立法による救済法の実現を目指すと話しました。
宣伝と運営委員会には日本共産党の清水ただし衆院議員も参加しました。