2019年7月23日(火)
主張
改憲3分の2阻止
力合わせ得られた大きな成果
参院選の結果がでました。日本共産党は、比例代表では4議席、選挙区では、21年ぶりの埼玉での議席獲得などで3議席を得て、改選8議席には届かなかったものの、合計7議席を確保しました。野党が一本化した全国32の1人区は、10選挙区で自民党候補に勝利しました。市民と野党が力を合わせた大きな成果です。ご支援くださった方、勝利へ奮闘していただいた方に心からお礼を申し上げます。いただいた期待にこたえ、希望と安心の政治、尊厳をもって生きられる社会の実現にむけ、さらに力を尽くします。
10選挙区で野党勝利
自民党は改選66を下回る57議席でした。自民・公明合わせて与党は改選過半数(63議席)を上回ったとはいえ、自公と日本維新の会などの「改憲勢力」が、改憲発議に必要な3分の2の議席を維持することはできませんでした。
自民党は公約に自衛隊を明記する改憲案を掲げ、安倍晋三首相も第一声から、改憲を前面に押し出した街頭演説を繰り返しました。かつてなく改憲が大争点になった選挙で、「改憲勢力3分の2」を阻んだことは極めて重要です。
安倍首相は参院選後の記者会見で、あくまで2020年に改憲を実現する思いは変わらない、と意欲をみせます。参院選結果に示された民意を無視したものです。だいたい9条をはじめ安倍首相が固執する改憲を、国民は望んでいません。今回の選挙でマスメディアが行った投票した人への「出口調査」では、安倍首相の下での「憲法改正」に反対47・5%、賛成40・8%(共同通信)などとなっています。参院選の論戦では、自衛隊を「血を流す軍隊」にする「安倍改憲」の危険な狙いが大議論になりました。今回の選挙結果を持ち出し、9条改憲への動きを加速させることに道理はありません。
「改憲勢力3分の2」を許さなかった最大の力は、与野党が一騎打ちで激突した32の1人区で、野党統一候補が10選挙区で勝利を勝ち取ったことです。3年前の前回参院選は、全国で市民と野党の共闘が国政選挙で初めて実現し、11選挙区で与党に打ち勝ちました。今回それに並ぶ画期的な結果を勝ち取ったことは、市民と野党の「本気の共闘」にこそ、安倍政権の暴走に立ち向かい、政治を変える力があることを示しています。
5野党・会派は、参院選の「共通政策」で合意し、その第1項目に「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと」を明記しました。共闘の威力をさらに発揮し、結束した力で安倍首相の野望を打ち砕くたたかいをすすめることが不可欠です。
新しい政治への道さらに
沖縄では、米軍新基地反対の候補者が勝利しました。秋田では、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」反対の候補者が、首相らのてこ入れを受けた自民候補に競り勝ちました。新潟では、公共事業で首相らを忖度(そんたく)したと発言し副大臣を辞任した自民候補が敗北しました。強権・忖度の政治に対する国民の不信と怒りは消えていません。消費税率10%増税反対は「出口調査」でも多数です。安倍政治を終わらせ、新しい政治を切り開くための世論と運動を広げることが必要です。