2019年7月18日(木)
主張
参院選と政権体質
強権とウソの政治に終止符を
最終盤に入った参院選では、年金問題、10月からの消費税増税、改憲などをめぐり、安倍晋三政権とその与党の自民・公明と、日本共産党をはじめとする野党の対決点が、ますます鮮明になっています。同時に安倍政権の暴走政治・国政私物化を許すかどうかも、争点です。安保法制=戦争法の強行や沖縄県民の意思に逆らう米軍新基地の建設に示される強権手法、「森友・加計」問題とそれに絡む公文書の改ざん、政府の経済統計の偽装などのウソと偽りの政治をこれ以上続けさせてはなりません。参院選は、強権とウソ・忖度(そんたく)の政治をただす重要な機会です。
文字通りの暴走政権
2012年末に政権に復帰してから6年半あまりにわたる安倍首相の政治は、国会での「数の力」を背景にした文字通りの強権政治の連続でした。集団的自衛権行使容認の閣議決定や、米軍が海外で起こす戦争に自衛隊が参加できるようにした戦争法の強行、沖縄への米軍新基地の無法な押し付け、自らの執念だけで推し進める立憲主義破壊の改憲策動など、枚挙にいとまがありません。経済政策「アベノミクス」の破綻も認めず、居直っています。14年4月に消費税率を8%に引き上げたため、「経済再生」どころか経済を悪化させました。その打撃から回復もしていない中での、消費税率の10%への引き上げは暴挙そのものです。
17年2月に発覚した、大阪の学校法人「森友学園」に国有地が破格の安値で払い下げられ、首相自身や妻の昭恵氏の関与が取りざたされた「森友」問題や、首相の長年の友人が理事長を務める岡山の学校法人の獣医学部開設で政治がゆがめられた「加計学園」問題は、全く決着していません。18年の国会では、財務省による公文書の隠ぺい・改ざんが明らかになり、民主主義の根幹を揺るがす事態にまでなったのに、終わったかのようにやり過ごそうという首相の姿勢は到底許されません。
17年に大問題になった南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣された自衛隊の「日報」隠しをはじめとする、政府の隠ぺい体質は改まりません。今年の国会では、厚生労働省の毎月勤労統計調査など、政府の経済統計が偽装されていたことが発覚し、国民の不信をいっそう強めています。年金問題でも、安倍政権が金融庁審議会の報告書を受け取らないと言って、都合の悪い報告書を“なかった”ことにしようとする姿勢が、大きな怒りを招いています。
安倍首相は参院選の論戦で、「野党は大切な年金を政争の具にし、具体的な対策も示さないまま、不安をあおるだけ」などと偽りの宣伝を繰り返します。日本共産党は、年金を自動削減する「マクロ経済スライド」を廃止し、「減らない年金」にする提案の中で、金持ち優遇の不公平をただす財源案を提示しています。首相によるウソの政治は通用しません。
当たり前の政治こそ
安倍政権が強権とウソの政治を続けるのは、やろうとしている政策が、主権者・国民の願いに反しているからです。安倍政権の暴走を支えている国会での与党と補完勢力の議席を、今度の選挙で少数に追い込むことが不可欠です。
参院選でウソのない当たり前の政治を実現し、希望と安心の政治を切り開こうではありませんか。