2019年7月15日(月)
きょうの潮流
「闘争」「死」と刻まれたコンパクト。肌身離さず持ち歩き、自身の顔を映し出す大切なものにしるした凄烈(せいれつ)な文字。それは、どんな弾圧にも屈せずたたかい抜く覚悟の証しだったのでしょう▼飯島喜美さん。戦前の紡績工場で女工哀史そのままの過酷な労働を強いられ、社会進歩にめざめていきます。16歳の若さで500人の女工たちの先頭に立ち、ストライキを指導。迫害も恐れず、日本共産党に入党しました▼世界中の労働組合が集まった国際会議では日本の女性労働者を代表して演説。より良い働き方や社会をめざすことに情熱を傾けながら、時の暗黒政府によって検挙・獄死させられました。わずか24歳でした▼その短くも誇りある生涯をまとめた『飯島喜美の不屈の青春』が最近、学習の友社から出版されました。喜美と同じ会社に勤めた著者の玉川寛治さんは戦前回帰に動く今の安倍政権にたいする危機感があったといいます▼「人権のかけらもない治安維持法によって多くの国民が犠牲になった。それを反省するどころか適法だと公言し恥じない政権に抗し、喜美たちのたたかいを受け継ぐ決意を込めた」。足跡への反響は大きく、わが身に引き寄せた感想も▼日本の歴史のなかで反戦平和と民主主義の旗を掲げつづけてきた党は、きょう創立97周年を参院選のさなかに迎えました。闇夜につながる勢力とのつばぜり合いのなかで。時代を切り開いてきた先人の声が聞こえてくるようです。いまこそ、日本共産党員魂を呼び起こせと。