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2019年7月7日(日)

主張

核兵器禁止条約2年

被爆国にふさわしい政府を

 核兵器禁止条約が2017年の国連会議(ニューヨーク)で、122カ国の賛成により採択されてから7日で2年です。批准国は23カ国になり、発効に必要な50カ国の半数近くとなりました。ところが安倍晋三政権は、同条約の署名・批准を求める声に背を向けています。被爆国にふさわしい政治への転換は、参院選での大きな争点の一つです。

国民的悲願の実現こそ

 人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が発効すれば、「核兵器のない世界」へ大きく前進する力になることは明らかです。昨年の国連総会は126カ国の賛成で、条約の署名・批准を求める決議が採択されました。核兵器の禁止、廃絶を求める世界の流れは揺るぎなく発展しています。

 一方、逆行する動きもあります。米英仏ロ中の核保有五大国はそろって禁止条約に反対しています。世界の9割の核兵器を保有する米ロは、核兵器の使用や新型兵器の開発を公言しています。核保有国の印パの間で軍事的緊張が高まっていることも懸念されます。

 核兵器がいかに非人道的で破滅的な結果をもたらすかは、「ヒロシマ・ナガサキ」の惨状が示しています。被爆者は、それを生々しく伝えてくれています。「この悲劇を繰り返してはならない」というのが多くの国民の願いです。日本政府に禁止条約への署名・批准を求める地方議会の意見書は400を超え、さらに広がりつつあります。被爆者が呼びかけた「ヒバクシャ国際署名」には、20府県と1135市町村の首長を含め、国内外で941万人以上が賛同する大きな運動になっています。

 安倍首相は「禁止条約に署名も批准もしない」と強く反対しています。最近明らかになった米国の未臨界核実験に抗議もしません。それは日本が、米国の「核の傘」に依存しているからです。

 安倍政権は北朝鮮の「脅威」などを理由に、「核抑止力」に固執します。しかし、核兵器による脅しでは、「安全」を実現できるはずがありません。朝鮮半島の非核化と平和への展望は、対話によって切り開かれています。日本政府が憲法9条を生かし、被爆国としての役割を果たすことが、日本とアジア、世界の平和を守る道です。

 日本共産党は2年前、核兵器禁止条約を交渉する国連会議に、2度にわたって志位和夫委員長を団長とする代表団を送り、条約採択を訴えました。他の国々の政府代表からも共感の声が寄せられました。日本政府が会議に欠席して、内外の失望と批判を浴びたこととは対照的でした。

参院選で政治を変える

 アメリカでは大統領に禁止条約の受け入れを求める決議案が連邦議会に提出されました。北大西洋条約機構(NATO)加盟のスペインでも禁止条約の署名・批准を政策に掲げる政党ポデモスと社会労働党との連立協議が始まるなど変化が生まれています。

 日本が禁止条約を署名・批准するなら、国際政治に大きな影響を与えます。それは「核兵器のない世界」の実現への大きな一歩となります。被爆国としての日本の政治的・道義的立場はかけがえのないものです。参院選で、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党躍進を勝ち取り、禁止条約に署名・批准する政府を実現しましょう。


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