2019年7月4日(木)
主張
参院選きょう公示
新しい政治切り開くチャンス
参院選はきょう公示され、21日投開票の日程でたたかわれます。年金を7兆円も削減する仕組みを続けるのか、「減らない年金」へ改革するのか。消費税10%増税か、消費税に頼らない別の道か。9条改憲を許すのか、憲法を守り生かすのか―。暮らしと日本の針路がかかった重要な選択の機会です。民意に逆らう安倍晋三政権に今度こそ退場の審判を下し、希望と安心の新しい政治を、ともに切り開いていこうではありませんか。
「頼れる年金」の実現を
公的年金の仕組みのあり方は、今度の選挙の大争点です。安倍政権は、現在の「マクロ経済スライド」で基礎年金(国民年金)が7兆円削減されることを政府答弁書で公式に認めました。いまでさえ保険料を40年間払い続けても月6万5千円にしかならない年金が4万5千円にまで減ってしまいます。これでは制度は「持続」しても、老後は立ち行きません。
政府が2日発表した国民生活基礎調査でも、収入が公的年金・恩給だけの高齢者世帯は半数にのぼっており、年金の改革は急務です。日本共産党は、「マクロ経済スライド」を廃止しても、高額所得者優遇の保険料の見直しなどで財源確保ができる具体的方策を明らかにしています。現行制度に固執し、改革への意思もない首相の姿勢は大問題です。制度持続にも年金充実にも責任を持つ日本共産党の躍進で「安心の年金」をつくることが不可欠です。
今週発表された日銀短観でも2期連続で景況感が悪化したように、日本経済の実態は深刻です。10月からの消費税10%増税に突き進むことは無謀という他ありません。有権者が増税ノーの声を明確に示せば増税は中止できます。消費税に頼らず、大企業・富裕層に応分の負担を求める税制改革などによって、くらしを応援する政治に転換することが求められます。
安倍首相は参院選で、改憲を争点にすることを盛んに強調します。年来の野望である9条改憲を一気に推し進めようという危険な企てです。9条に自衛隊を明記する首相の改憲案は、自衛隊の憲法上の制約をなくし、無制限の武力行使を可能にするものです。日本を「戦争する国」につくりかえる“安倍改憲”にストップをかけ、9条を生かした平和外交を展開する道に進むことこそが必要です。
安倍首相が大阪城改修でのエレベーター設置を「大きなミス」と言い放ち、選択的夫婦別姓について「経済成長と関わりがない」と主張したことに厳しい批判が集まっています。首相の一連の発言は、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会のあり方とかけ離れています。個人の尊厳とジェンダー平等に背を向ける政治を終わらせ、差別と分断のない社会をつくる機会にしていきましょう。
強権政治の「安定」許さず
自民・公明の与党は「政治の安定」を繰り返します。しかし、安倍政権が国会の多数議席の「安定」でやってきたことは、安保法制=戦争法など違憲立法の強行や、「森友・加計」疑惑隠しなどの強権・国政私物化の数々です。暴走政治を加速させる自公政権の「安定」は許されません。全国32の1人区全てで候補を一本化した市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進を実現し、安倍政治を終わらせ、未来への扉を開きましょう。