2019年6月26日(水)
陸上イージス 山口で標高5メートル低く説明
防衛省認める 秋田でまた誤記
陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備をめぐり、陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市)からレーダーを照射する方向にある山口県阿武町の高台「西台」の最高標高について、防衛省は今年5月の説明資料に「576メートル」と記載していましたが、昨年8月には地元に「571メートル」だと説明していたことを認めました。25日、本紙の取材に回答しました。
「西台」の標高は、強力な電磁波を発するレーダーが民家にあたるかどうかを左右します。「配備ありき」、住民の命や健康は二の次という姿勢が浮き彫りになりました。
標高差に5メートルもの差異が生じている理由について、同省は、5月の資料では「576メートル」と表記していた衛星地図ソフト「グーグルアース」のデータを使用し、昨年の説明では「571メートル」と表記していた国土地理院の電子版地図を使用したためと回答しました。
ただ、岩屋毅防衛相は21日の記者会見で、「国土地理院の地図情報には標高574メートルと記載されている」とも述べており、説明が混乱しています。防衛省は近く、現地で実測を行う考えです。
また、岩屋氏は25日の記者会見で、もう一つの配備候補地である秋田県への説明資料で、レーダー波が周辺地域の電子機器に与える影響を調査したデータについて、報告書の地図上に記載してある電波の強さ(0・0083)を、同じページの表に転記する際に0・0038と誤記していたことを明らかにしました。別の箇所でも0・0483と記すべきところを、0・0438と間違えていました。