2019年6月20日(木)
新潟・山形地震
過去に何度も発生
「日本海東縁ひずみ集中帯」
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地震は日本海の山形と新潟の県境付近の沖、地下14キロで発生しました。気象庁の解析によると、地震のメカニズムは西北西から東南東を圧力軸とする逆断層型で、軸の両側から押し合う力が加わることでたまったひずみによって地殻がずれ、地震が発生したことを示しています。
今回、地震が発生した場所を含む、日本列島の北半分の日本海側の縁はひずみがたまりやすい場所として知られ、「日本海東縁ひずみ集中帯」と呼ばれています。1964年の新潟地震や83年の日本海中部地震、93年の北海道南西沖地震、2007年の新潟県中越沖地震など、日本海の海底を震源とする大きな地震が何度も発生しています。
日本海東縁ひずみ集中帯は新潟や長野など内陸にも延び、04年の新潟県中越地震や14年に長野県北部で発生した地震などを引き起こしています。
日本列島の北半分の日本海側の縁にひずみがたまりやすいのは、そこに日本列島の北半分が乗る「北米プレート」と日本海や大陸が乗る「ユーラシアプレート」の境界があり、衝突をしているためと考えられています。北米プレートとユーラシアプレートの境界やその活動を解明するため、国の研究機関や大学による研究が進められています。
“空白域”に要注意
立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)=新潟市在住=の話 北海道の奥尻島から秋田沖、新潟沖にかけて地震が起きてきた「日本海東縁断層帯」がありますが、その地震の分布からみて、山形と新潟の沖合は“地震の空白域”で、地震が起こりうると地震・地質学分野では予測されていました。やはり空白域と考えられているところは要注意です。自治体などが地震の備えをする際には考慮するべきです。