2019年6月19日(水)
2019参院選 希望を語ろう
日米地位協定抜本改定 全国の動きに
野党共闘の勝利で道開く
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「♪そらからふってくるものは しとしとあめがいい」
東京のうたごえ協議会事務局次長の大熊啓(あきら)さんは、学校や保育園上空を米軍機が飛ぶたびに避難しなければならない沖縄の子どもたちを題材に「見上げた空から」という曲をつくりました。
曲ができたのは今月13日。翌日、東京・有楽町でおこなわれた「沖縄連帯行動」に参加し、ギターを弾きながら初披露しました。
「沖縄の子どもたちは、繰り返される米軍機からの落下事故で、雨以外にも空から降ってくると思っています。こんなことはあってはならないし、子育て中の私の世代にとってひとごとではありません。日米地位協定の改定を求める署名に協力してください」と呼びかけました。
共通政策を歓迎
連帯行動に参加した女性は、「参院選で、市民と野党の共通政策に辺野古新基地建設中止、地位協定の見直しが入ったことを歓迎します。沖縄だけのたたかいにしてはだめ。本土全体の動きになればと思います」と語ります。
全国知事会の提言を受け、7道県127市町村議会が地位協定の改定を求める意見書を採択しました(18日現在、安保破棄中央実行委員会調べ)。長野県では、県議会と34市町村議会が採択(全議会の45%)。佐久地域と木曽地域では全議会が採択しました。長野県平和委員会事務局の林茂樹さんは、「陳情提出者が趣旨説明をすることが可能な議会もあります。佐久地域では、請願や陳情を提出した平和委員会や地区革新懇のメンバーが委員会に出向き、議員の質問に答えるようにしましたが、それが採択の力になったところもありました」と話します。
沖縄県は、地位協定に関し、米軍が駐留する欧州諸国を調査し、日本と比較した結果を発表しました。米軍に国内法が適用されない、米軍基地への立ち入り権がない、航空機事故のさい捜索権を行使しないなど、日本のような実態は欧州諸国には見られない異常なものであることが明らかになりました。
全都で意見書を
米軍横田基地を抱える東京。「夜9時半すぎ、オスプレイが無灯火で飛ぶようになった。たいへん危険なのでやめさせたい」(日野市)、「米軍機が住宅地上空をハッチから銃口を出して飛んでいる。防衛省からは、通常の訓練だと回答があった。まるで『標的の村』だ」(福生市)。東京都内で開かれた「日米地位協定の抜本的見直しをめざす全都学習会」(6月14日)で語られた東京の実態です。
東京では、羽村市や東久留米市など6市が意見書を採択しています。
学習会で尾崎あや子都議が、都議会の状況を報告。2018年12月都議会で、小池百合子都知事は全国知事会の提言の趣旨に沿い、他府県の知事と連携して地位協定の見直しを国に要請すると答えたことをあげ、世論と運動を広げ、「地位協定の見直し」を求める意見書を可決させる取り組みをしたいと述べました。
東京平和委員会の岸本正人事務局長が、「すべての区市町村議会、都議会で日米地位協定の改定を求める意見書の採択をめざしましょう」と行動提起。「参議院選挙で野党共闘を勝利させ、野党連立政権の樹立と日米地位協定の抜本改定の道を切りひらきましょう」と呼びかけました。
抜本改正し、あたりまえの主権国家に―――日本共産党
日本共産党は、地位協定の抜本改定を以前から求めてきました。参院選に向けて、日米地位協定の抜本改正を実現し、あたりまえの主権国家をつくろうと訴えています。野党の共通政策には、今回初めて、「日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること」と明記されました。
異常な対米従属の根源には、日米安保条約があります。国民多数の合意を得て、日米安保条約をアメリカ政府への通告(条約第10条)によって廃棄し、米軍とその基地を撤退させ、対等・平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ方針を掲げています。
これにたいし安倍首相は、「日米地位協定は大きな法的枠組みがあり、事案に応じて具体的問題にする」(2月1日、参院本会議)と背を向けています。