2019年6月19日(水)
陸上イージス住民説明会
「まちづくりに弊害」
山口・阿武町 女性ら切実な思い訴え
防衛省は17日夜、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備候補地として山口県萩市の陸上自衛隊むつみ演習場が「適地」とする調査結果について、同市に隣接する阿武町の中心部で住民説明会を開きました。同町での住民説明会は2カ所目です。
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会場には約120人が参加。反対を表明している花田憲彦町長は以前から、移住施策など「まちづくりが壊される」と繰り返し訴えていますが、同省はわずか3ページの追加資料で、配備に伴い配置する自衛隊員が「まちづくりに協力、貢献できる」などと説明しました。
町の女性たちは「町が積み上げてきた、まちづくりや農業振興が弊害を受ける」「警備態勢でテロなどから守るというが、守られなければいけないような所には怖くて住めないし、人を呼び込むこともできない」と切実な思いを訴えました。これに対し、中国四国防衛局の赤瀬正洋局長は「住民の安心、安全な暮らしを損なうものではない」などと強弁しました。
花田町長は終了後、記者団に対し「住民の不信感の強さ、(同省との)溝の深さをつくづく感じた。住民の気持ちや論点が理解できていないのではないか」と指摘しました。
阿武町、萩市での14日から4日間の説明会を終え、赤瀬局長は「まだまだ厳しい声があり、不安や懸念が払拭(ふっしょく)できたとは言い難い」と述べました。