2019年6月19日(水)
「地元理解なく予算計上しない」
陸上イージス 防衛相、井上氏に答弁
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岩屋毅防衛相は18日の参院外交防衛委員会で、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備に関し、「地元の理解がない状況で造成費などの予算計上はしない」と表明しました。日本共産党の井上哲士議員の追及に対して答弁しました。
配備候補地の新屋(あらや)演習場(秋田市)を「適地」とする調査報告書のデータに誤りがあった問題で、地元住民から懸念の声が上がっています。
井上氏はイージス・アショアの配備撤回を求め、「少なくとも住民合意がないまま来年度予算の概算要求に関連経費を計上しないと明言すべきだ」と迫りました。岩屋氏は「地元の理解がない状況で配備先を前提とした予算計上はしない」と認めました。
防衛省は、周囲の山を見上げた際の「仰角」を計算する際に「グーグル・アース」で取りだした断面図の縮尺を誤ったまま定規で測定したため、実際とは異なる角度を算定したと説明しています。井上氏は「あまりにずさんなやり方だ」と批判。岩屋氏は「チェック体制が甘かった」と弁明しました。
井上氏は「体制の問題ではない」とのべ、地元住民からの「周辺には多くの学校がある」「有事には攻撃対象になる」など不安の声に対して、「住宅地からの距離は問題ない」とする防衛省の姿勢を示していると指摘。「住民の声を聞くのは形だけで、『新屋ありき』で進める姿勢が問われている」と強調しました。