2019年6月18日(火)
2019参院選 激戦ルポ
中林さん 共同広げ挑む
鳥取・島根選挙区 政治変えての期待担い
参院選の鳥取・島根選挙区(改選数1)で野党統一候補、無所属の中林よし子予定候補は、「保守の人も含めウイングを広げに広げていく」と両県を駆け巡っています。(内田達朗)
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「中林さんですよね。頑張ってください」。11、12の両日、隠岐諸島の隠岐の島、海士、西ノ島の3町を訪問した中林予定候補に、フェリーの中や町で、多くの人から声がかかりました。
中林予定候補は、1979年の総選挙で、旧島根全県区(定数5)で、県政史上初の女性衆院議員として初当選。2003年まで4期9年議員をつとめました。今回、日本共産党が擁立する候補での野党統一をめざすなか、「安倍政権をなんとしても退陣させたい」との思いから立候補を決意。さらに日本共産党公認ではなく、無所属候補としてたたかうことも決断しました。
鳥取・島根選挙区は自民党現職の舞立昇治氏との一騎打ち。自民党島根県連は、知事選をめぐる対立から、県議会会派が分裂し、参院選を前に幹事長が解任を決議され、「参院選前に司令塔不在」(山陰中央新報8日付)になるなど矛盾が噴出。分裂した会派の議員は、県連決定に従わず、舞立氏支援は議員個人の判断にゆだねるとする(同7日付)など足元が揺らいでいます。一方、松江市などでは、元号や破壊活動防止法などを口実にした、反共謀略ビラがまかれるなどし烈なたたかいになっています。
野党候補の一本化に尽力し、無所属での立候補をよびかけていた「住民目線で政治を変える会・山陰」(「住民目線の会」)共同代表の福嶋浩彦さんは「中林さんの決断はうれしい」と表明。「安倍首相は、自分と異なる意見を攻撃し、数の力で排除する。こんな政権に未来は託せません。互いの意見を認め合い、対話をする政治にするため、中林さんには、その中心で頑張ってほしい」
労働組合では、しまね労連と鳥取県労連が支援を決定。推薦を決めた国鉄労働組合米子地方本部から「必勝」の為書(ためが)きが事務所に届きました。
思い結集 必ず国会へ
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鳥取県での事務所開き(8日)では、反原発行動を続ける女性、国立大学の元副学長らが応援のスピーチをしました。
椋田昇一・鳥取市議(無所属)は「共産党との溝が埋まっていない問題もあるが、野党は安倍政権を倒すために統一しなければならない」と応援しました。
スピーチした一人、鳥取県倉吉市の男性(32)は語ります。「共闘を進め、安倍政権に対峙(たいじ)する議員が必要です。立候補表明を聞いて、中林さんの衆院議員時代の議事録を調べ、この人ならと思いました。中林さんには国民の思いを国会に届け、安倍政権を倒す共同をさらに進めてほしい」
衆院議員時代、「いったん始まった国の公共事業は止められない」といわれた中海の干拓・淡水化事業を住民と力をあわせてストップさせました。道路工事現場にトイレがなく、女性の尊厳が守られていない問題を追及し、いまでは仮設トイレ設置はどこでも当たり前になっています。
中林予定候補は衆院農水委員の経験も生かし、農協や漁協などさまざまな団体と懇談を重ねてきました。
隠岐諸島を巡り、隠岐の島町の池田高世偉(こうせい)町長と行った懇談では、島に帰ってきた人への助成事業や「エコの島をめざしていく」との町長の発言に、「日本のモデルとなるものです。ぜひ後押ししたい」と語り合いました。
各地で中林予定候補は訴えます。「“戦争も貧乏もなくす”が私の原点です。“政治を変えたい”というみなさんの思いを結集して必ず国会へかけあがります」