2019年6月15日(土)
戦略特区絡み密室会合
野党追及で判明 WG 記録残さず
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国家戦略特区ワーキンググループ(WG)で漁業権にかかわる規制改革案のヒアリングの開催が隠された問題で、内閣府は全く記録を残さない非公式な場でWG委員と提案事業者が「打ち合わせ」をしたと認めました。14日の野党合同ヒアリングで明らかになりました。
同WGが問題となった加計学園問題の追及で、安倍晋三首相は「(WGは)透明でフェアな議論が行われている」と弁明しましたが、審議過程は国民の目から隠された“ブラックボックス”である実態が浮き彫りになりました。
改革案は真珠養殖の規制緩和を求めるもので、2015年の4~6月の間に真珠販売会社が提案し、15年10月ごろWGが会社や水産庁にヒアリングを実施したと報じられています。16年9月7日に行われたWGのヒアリングで水産庁の中裕伸管理課長は「(昨年の)10月のヒアリングの場でいろいろご指摘いただいた」と発言。複数の委員が15年10月のヒアリングを前提とした議論を行っていました。
しかし、このヒアリングは、首相官邸のホームページに開催そのものが掲載されず、WGのヒアリング実施状況を請求した日本共産党の田村智子参院議員の質問主意書(17年6月16日付と12月7日付)に対して政府が閣議決定した答弁書にも含まれていませんでした。
野党は14日の合同ヒアリングで「会議自体をなかったことにするのか」と追及しました。
内閣府の蓮井智哉参事官は、WGの八田達夫座長と原英史座長代理が「15年度の秋前後に個別に状況を聞くため打ち合わせを行った。(WGの)ヒアリングではなく委員としての通常業務で行ったものであるため、事務局に記録が残ってない」と釈明しました。