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2019年5月31日(金)

データ独占招く恐れ

銀行IT参入めぐり大門氏

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(写真)質問する大門実紀史議員=30日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は30日の参院財政金融委員会で、金融機関の業務範囲や出資制限を緩和し、IT(情報技術)分野への参入を促す改定案について、金融機関やIT企業のデータ独占を進め、技術革新を阻害すると指摘しました。

 大門氏は、独占禁止法が金融機関の業務範囲を規制する理由は、豊富な資金力によって過度な事業支配力を持つ恐れがあるためと指摘。「(改定案は)銀行による技術やデータの囲い込みを後押しし、技術革新を阻害するのではないか」とただしました。麻生太郎財務相は「必ずしも金融機関の競争上の優位を確保すると考えてない」と答えました。

 大門氏は、IT企業と銀行との連携でデータ集中が起こっていると指摘。みずほ銀行とソフトバンクの事例を紹介しました。

 米国のIT巨大企業に対抗するため、ソフトバンクは電話通信料や検索結果、ネット通販、位置情報などの膨大な個人情報を集めています。人工知能(AI)が膨大な個人情報を分析し、信用ランクをつけて融資するビジネスをみずほ銀行と共同して展開しています。

 大門氏は、改定案によって口座情報など金融機関が持つ膨大な個人情報がIT企業に集中する恐れがあると述べ、「日本のメガバンクが持つ個人情報が、米国を含めたIT企業に取り込まれることが起こり得る」と批判しました。金融庁の三井秀範企画市場局長は「(大門氏の)懸念は起こりうることで、よく注視したい」と述べました。


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