2019年5月25日(土)
児童虐待防止法改正案 衆院委可決
不十分だが意義あるもの
高橋氏賛成討論
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児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等改正案が24日、衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。日本共産党など5野党・会派は政府案への対案を共同提出していましたが、与野党協議によって修正案がまとまったため、野党案は取り下げられました。
修正案では、野党案を受け、児童福祉司の増員などで追加規定が盛り込まれたものの、野党が見直しを求めていた体罰禁止規定の表現は政府案のままとなりました。日本共産党の高橋千鶴子議員が討論に立ち、「子どもの命を守り、最善の利益を守るため、与野党が一致して修正案がまとまったことは、不十分さはあっても意義あることだ」と強調。「しつけのため」と称して繰り返される体罰をなくすためには、「しつけ」の根拠とされた民法822条の「懲戒権」を速やかに削除し、「子どもの権利条約の精神にのっとって、子どもの品位を傷つけるあらゆる行為を禁止すべきだ」と主張しました。また、高橋氏は、児童相談所の設置基準の法定化、中核市・特別区での児童相談所設置などでは野党案より後退がみられると指摘しました。
児童相談所の業務について第三者評価を導入することは、子どもの権利を守る質が全国どこでも確保されるために重要とし、実効性ある体制を求めました。
高橋氏は、一時保護=親子分離ではなく、親子関係改善のプロセスと位置づけるべきだとして、一時保護所が子どもにとって安全で安心な居場所となること、国がイニシアチブを発揮して保護者支援プログラムに取り組むことを求めました。