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2019年5月21日(火)

ヒバクシャ署名 数億の声に

米平和団体「ピーク」 青年ら世界に拡散

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(写真)ヒバクシャ国際署名のイベントで被爆者の証言を聞くピークの青年たち=3日、国連本部内(池田晋撮影)

 【ニューヨーク=池田晋】「生きている間に何としても核兵器のない世界を」と被爆者を中心に2016年に始まったヒバクシャ国際署名の最終年となる2020年に向け、さらに国際的な運動にしようと支持を広げる草の根の取り組みが米国で進んでいます。中心になっているのは、日米両国で平和運動を展開する米非政府組織「ピーク・インスティテュート」です。

まだ遠い目標

 核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会が開かれていた国連内で3日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市(すえいち)事務局長と濱住治郎事務局次長を招き、署名推進を訴えるイベントが開かれました。

 主催したピークのレベッカ・アービー代表は、現在の約940万人分の署名はすごい数だが、来年までに数億集めるという目標にはまだ遠いとし、「私たち若い世代の仕事は、署名を世界に知らせること」と訴え。「ウェブサイトならば署名は1分もかからずできる」と呼び掛けました。

 ピークは、アービー代表と、米国人として初めて広島平和文化センターの理事長を務めた平和活動家のスティーブ・リーパー副代表が16年に共同で設立。ニューヨークや広島を拠点に若者の平和教育活動を展開しており、昨年9月にウェブサイト上でヒバクシャ国際署名に電子署名できるページを開設しました。

 署名を広げるため、大学構内などで学生らに呼び掛ける一方、「社会的責任のための医師会(PSR)」といった各地に支部をもつ他の反核・平和団体との連携も進めています。

国際的な注目

 毎年秋の国連総会へ、被爆者自らが訪米しての提出がすっかり定着してきた国際署名。関係者によると、今回のNPT準備委員会への提出が実現したのは、議長側から「ぜひ届けてほしい」と好反応があったためだといいます。

 署名を受け取ったサイード議長は閉幕後の会見で、被爆者の役割について「とりわけ若い世代に原爆の影響を知らせる点で、非常に重要」と述べ、その役割は支持され続けるべきだと強調しました。

 来年のNPT再検討会議にあわせ、各国の平和団体はニューヨークで「原水爆禁止世界大会」の開催とともに、ヒバクシャ国際署名をはじめとする核廃絶署名を共同提出することを計画。被爆者とその運動に改めて国際的注目が集まる場になりそうです。

 アービー代表は「被爆者が私たちといられる時間はもう長くない。私たちがいまできる最重要のことがこの国際署名だ」と目標達成へ決意を語ります。

■署名ウェブサイト

【ピーク】
 https://www.peacinstitute.org/endnukesnow (英語)

【ヒバクシャ国際署名連絡会】
 https://hibakusha-appeal.net/ (日本語)
 https://hibakusha-appeal.net/english/ (英語)


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