2019年5月12日(日)
多数支持の議長勧告発出
米英仏は反発 NPT準備委閉幕
【ニューヨーク=池田晋】国連本部で開かれてきた核不拡散条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は10日、閉幕しました。
2020年に開かれる再検討会議に向けた勧告案について、準備委員会は全会一致を目指しましたが、米英仏の核保有国が強く反発。サイード議長(マレーシア)は、作業文書の形で議長勧告として発出することを決めました。多数の締約国、市民社会は、議長勧告を重要な成果だと支持しました。
議長は3日に配布した勧告案に対する各国の意見を反映させた改定案を9日午後に配布しました。改定案は、多くの国が討論でふれた核兵器の非人道性に対する言及を充実させるとともに、保有国に軍縮を求める記述も、過去の再検討会議の最終文書にあわせ補強しました。
この勧告案に対し、非同盟諸国を先頭に、東南アジア、中南米、アフリカ、中東諸国は相次いで支持と歓迎を表明しました。
一方、米英仏は「受け入れられない」などとして当初案に戻すよう要求し、核の傘の下にある同盟国も「全会一致から遠のいた」と保有国に同調。日本政府は「議長がどう全会一致を得るのか、明らかでない」などと述べ、事実上反対しました。
米国は議長勧告を来年の再検討会議に向けた作業の「たたき台として断固拒否する」との声明を出しました。