2019年5月10日(金)
幼保「無償化」法案 参院委可決
「保育の質」掘り崩される
子の安全・命に無責任
田村議員が批判
消費税10%増税を前提に、幼児教育・保育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案が9日、参院内閣委員会で採決され、自民党、公明党、国民民主党、日本維新の会の賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党は反対。日本共産党の田村智子議員は、採決に先立つ質疑で、同改定案によって、保育のナショナルミニマム(最低基準)が事実上、掘り崩されかねない点などをあげ、「子どもの安全・命に対して、あまりにも無責任な制度設計だ」と批判しました。
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同改定案では、国の最低基準を満たさない認可外保育施設を補助対象とし、認可外保育施設指導監督基準さえ満たさない状態の施設も5年間、補助対象としています。田村氏は参考人質疑で保育事故の当事者が「命を守る最低基準すら満たさない施設」「5年間の経過措置は受け入れられない」と述べたことを指摘。「認可外施設の指導監督基準は、保育の質の保証とはとてもいえない」と認識をただしました。安倍晋三首相は「無償化を契機として認可外保育施設の質の向上をはかっていく」などと弁明。田村氏は、認可外の企業主導型保育でも問題が相次いでいることをあげ、「安倍政権は『保育の質』をあまりにもないがしろにしている」と批判しました。
さらに、田村氏は、安定した職を確保できない低所得者世帯は、認可保育所へ入所しづらく無償化の恩恵が低い上に、消費税増税の激しい痛みが襲いかかると指摘。「所得税や法人税の応能負担を強化する公正な税制によって、幼児教育・保育の無償化を行うべきだ」と強調しました。