2019年5月5日(日)
英核搭載原潜式典に抗議
核軍縮運動呼びかけ ダイ・イン
英政府が3日、核ミサイル搭載の原子力潜水艦を導入して50年を記念する式典をロンドンのウェストミンスター寺院で開催したことに対し、同寺院前で抗議行動が繰り広げられました。英核軍縮運動(CND)が呼び掛けたもので、現地からの報道によると約500人が参加し、うち200人が地面に横たわる「ダイ・イン」を行いました。(片岡正明)
英国は米国から潜水艦発射の核弾道ミサイルの供給を受け、1969年に原潜4隻体制で行う「継続的な海の核抑止力」政策を開始。4隻のうち最低1隻が常時、海洋でパトロールし、核ミサイルを発射可能な態勢を固めました。現在はトライデント核ミサイルを搭載。2030年からは新型原潜が導入される予定で、CNDは新型原潜に数十兆円がかかると試算しています。
式典にはウィリアム王子やモーダント国防相が出席。抗議行動参加者からは「恥を知れ」と声が上がりました。
抗議集会で、CNDのケイト・ハドソン事務局長は「核兵器に感謝する式典などまったくばかげている。ダイ・インで横たわっている人は、核戦争で亡くなる人を象徴している」と語り、トライデント核ミサイル廃棄を求めました。
また、英国教会を象徴する寺院で式典を行ったことに対し、同教会の聖職者約200人が「核兵器のない世界のために努力するという教会の政策に反している」と抗議の声明を出しました。
抗議行動参加者のオマル・アフメドさん(29)は英BBCに対し、「地球を破壊することができるものを支持するとは驚きだ」と式典参加者を批判しました。