2019年5月1日(水)
「核軍縮と不拡散は一体」
NPT準備委開幕 被爆者・各国NGO参加
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【ニューヨーク=池田晋】2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて第3回準備委員会が29日、ニューヨークの国連本部で開幕しました。会期は5月10日まで。20年の再検討会議は、NPT発効50年の節目とともに、歴史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約の発効を迎える中で開かれる可能性が高く、市民社会は保有国とその同盟国に核軍縮を迫る重要な場と位置付けています。
再検討会議前に締約国が一堂に会する最後の場となる今回、議場には初日から日本の被爆者代表とともに、各国の非政府組織(NGO)が集結しました。
始まった一般討論では、核兵器禁止条約がNPTの定める核軍縮措置を補強するものだと評価する発言が相次ぎました。
核兵器禁止条約について、アフリカ・グループを代表したナイジェリアは「NPTを損なうものではなく、不拡散体制を補強するもの」とし、東南アジア諸国連合(ASEAN)を代表したミャンマーは「軍縮・不拡散に向けた極めて重要で、補完的な一歩だ」と評価しました。
非同盟運動を代表したベネズエラは、保有国による核の最新鋭化や、より使いやすくする措置について、核軍縮の義務を明記するNPT第6条への「明白な違反」だと批判。核軍縮と不拡散は同じコインの表裏で「相補的なものだ」と述べました。
米国は、核軍縮よりも不拡散がNPTの本来の土台だなどと主張。ロシアは、米国が既存の軍縮枠組みを破壊していると非難しました。
委員会には、各国NGOのほか、日本原水爆被害者団体協議会、被爆地の広島、長崎の両市、原水爆禁止日本協議会の各代表団が出席しています。