2019年4月18日(木)
大阪12区補選 最終盤 宮本候補 逆転勝利へ猛追
野党応援勢ぞろい・ボランティア続々
担当記者が語る
衆院大阪12区補選(21日投票)は「市民と野党の統一候補」として無所属で奮闘する宮本たけし候補が、自民、維新候補を激しく追い上げながら、最終盤を迎えました。選挙戦の様相を担当記者で話し合いました。
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日々驚きの選挙
A こんな選挙は体験したことがないね。日々、驚くことばかりだ。
B 現職の日本共産党衆院議員(比例近畿)である宮本氏が職を辞して大阪12区補選に出馬すると記者会見した時は、びっくりした。
C 安倍政治を終わらせるには「市民と野党の本気の共闘」しかない、そのためには無所属になって「私が共闘の接着剤」になるという宮本候補の心意気に「感動した」「がんばれ」という声が相次いだ。
D 市民連合、日本共産党、自由党、社民党大阪府連がすぐ宮本候補を推薦したが、自主投票を決めていた立憲民主党や国民民主党の国会議員が出発式に駆け付けたのには、正直、驚いた。
B 立憲民主党の枝野幸男代表、辻元清美国対委員長が宮本事務所を訪れ、宮本候補とがっちり握手し、「国会に戻ってきてください」と激励した。メディアも注目したね。
A 森友問題を国会ではじめて追及したのが宮本候補。「森友追及、うそと忖度(そんたく)政治をただすのになくてはならない政治家」と、国会でともに追及してきた野党議員が続々と応援。学費・奨学金問題など教育問題に熱心に取り組んできた宮本候補とともに若者や女性国会議員がリレートーク。12区は大学が多く、学生と「学費が高すぎる」と対話の輪ができている。
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D 宮本事務所は「何か手伝うことはありませんか」と連日、ボランティア希望者が詰めかけてにぎやか。応援弁士も落語家、医者、弁護士、子育て中のお母さん、飛び入りの政治家と多彩だ。みんな安倍政治に怒り、宮本候補の英断に「待ってました」「何かしたい」という思いだ。
C 宮本候補が自民、維新候補を激しく追い上げる展開だが、メディアの世論調査でも「4割が態度未定」だ。働きかければ働きかけるほど宮本候補への支持・支援の輪が日ごとに広がっており、時間との勝負だ。
対決構図は鮮明
A 訴えが届けば共感が広がるのは、宮本候補自身が語りかけているように「いまの安倍政治に真っ向から対決し希望ある政治を切り開こうとしている候補者は、私、宮本たけししかいない」からだ。
B 対決構図は鮮明だね。「『安倍政治の応援団・改憲をすすめる自民、維新、無所属の3候補』と『9条を守り、憲法をいかす宮本候補』の真っ向対決」だ。
C 宮本候補は「10月からの消費税10%に反対します」「安倍政権のもとでの憲法改定に反対し、憲法9条をいかす」「ウソや忖度は、もうさようなら」「カジノより子育て支援、教育充実、防災強化を」の四つの柱からなるマニフェスト(公約)を発表した。市民連合、共産党、自由党、社民党府連と練り上げたもので、「他党もご賛同いただける自信作」(自由党の渡辺義彦府連代表)だ。
D 自民党候補も応援弁士の自民党、公明党国会議員も、消費税増税、改憲、忖度政治などにはいっさい触れず「弔い選挙」「中央とのパイプ」しか言わない。安倍首相が最終盤の20日に応援に入るが、いったい何を語るつもりだろうか。
B 維新の安倍政治応援団ぶりがすごい。候補者自ら「憲法改正は私も悲願」と叫んだのには驚いた。維新の松井一郎代表(大阪市長)、吉村洋文政調会長(知事)も「大阪の自民党はだらしない。公明党と組んでいては憲法改正もできない」(吉村氏)と自衛隊を憲法に明記する「本気の憲法改正」を主張。「安倍さんの改革にもいいものがあるが、足を引っ張る勢力がいる。後押しする勢力が必要だ」と安倍首相に“公明党より頼りになる維新”を売り込んでいる。
A 露骨だね。元総務相の無所属候補も「与野党の違いは対立のためではなく、乗り越えるためにある」という立場。安倍政治に対決する姿勢はなく、憲法についても「時代に、国民に寄りそう憲法改正」を公約している。
D これでは、「安倍政治をもう終わりにしたい」という願いを託せる候補は宮本候補しかいないね。
残る期間 奮闘を
C 沖縄3区での「オール沖縄」候補とともに、大阪12区で宮本候補が勝利すれば消費税10%増税を止める力となり、安倍政権を根底から揺るがし、参院選に向けて市民と野党の共闘を発展させる大きな力になるのは間違いない。
B 最終盤の19、20日は日本共産党の志位和夫委員長ら野党代表や作家の佐高信氏、市民連合の山口二郎法政大教授などが応援に駆け付ける。20日は安倍首相との直接対決となる。
A 宮本候補の逆転勝利で、大阪12区から「安倍政治さよなら」「希望ある新しい政治をつくる」流れをつくりだせるかどうかは、残る期間の奮闘次第だね。全国的な支援も欠かせない。