2019年4月4日(木)
陸自日報 確認30件中3件
新たな隠ぺいを追及
穀田氏批判
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2015年9月の安保法制=戦争法成立以降に陸上自衛隊が海外で参加した30件の共同訓練で、保有されている「日報」が3件しか確認されていないことが明らかになりました。これに対し、岩屋毅防衛相は3月29日に「日報の保有状況調査」を改めて指示しましたが、調査の期限は国会会期(6月26日)終了後の6月28日としており、国会審議を避けようという思惑は明瞭です。
日本共産党の穀田恵二議員は3日の衆院外務委員会で、「南スーダン、イラク日報に続く、新たな日報隠しだ」と批判し、事実関係の速やかな調査と今国会中の報告を求めました。
原田憲治防衛副大臣は、現在保有している3件の「日報」の分量が米陸軍との「アークティック・オーロラ」(19日分)、米軍との「タリスマン・セーバー」(11日分)、米豪軍との「サザン・ジャッカルー」(4週間分)と答弁しました。また、防衛省は、現時点で判明している共同訓練が30件あると明らかにしました。
防衛省はこれまで、陸自の海外共同訓練は「通常、いちいち日報を取っているものではない」(岩屋氏)、「上級部隊への定期的な報告をさせることは一般的でない」(原田氏)と説明してきました。穀田氏は「では、なぜ3件の訓練では日報が作成されたのか。何らかの根拠があるはずだ」とただしました。
さらに、穀田氏は、防衛省が情報公開請求に対して開示した16年10~11月の日米共同統合演習の「実施計画」を示し、訓練の実施期間などについて「定時報告の様式」を定め、24時間ごとの報告を義務付けていると指摘。「なぜその訓練の日報を保有していないのか」と追及しました。
原田氏は「大臣の指示を受け、調査中」と繰り返し、回答を拒否しました。
穀田氏は、防衛省が「日報の作成は義務付けていない」と言いながら、実際は「報告様式」まで定め作成を求めていると強調。「これは、もはや防衛省の行政文書の取り扱いレベルの話ではない。重大な虚偽答弁に当たる問題だ」と批判し、徹底調査を求めました。
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