しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年4月2日(火)

景気悪化いよいよ鮮明

日銀短観 企業景況感低下

消費税増税中止こそ景気対策

 景気悪化がいよいよ鮮明になってきました。日銀が1日に発表した3月の全国短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の業況判断指数(DI)が、前回調査(昨年12月)から7ポイント低下。第2次安倍晋三政権発足後では最大の悪化です。3月に政府が発表した月例経済報告は、輸出と生産に弱さが見られるとして、全体の景気判断を下方修正しています。


 企業の景況感の低下は、日本経済を取り巻く環境が急速に悪化しているためです。とくに中国経済の減速によって不透明感は強まっています。1~2月の中国向け輸出は2兆979億円と、前年1~2月(2兆2397億円)と比べ6・3%のマイナスでした。英国の欧州連合(EU)離脱問題による企業活動への深刻な悪影響も懸念されています。

 民間設備投資の先行指数である1月の「船舶・電力を除く民需」の受注額は、前月比5・4%減。3カ月連続のマイナスでした。

中小が受注減少

 全国中小企業団体中央会の2月の中小企業月次景況調査で米中貿易摩擦の影響によって受注減少が幅広い業種の景況感を下押ししている実態が示されました。同調査には、「米中貿易戦争による中国経済鈍化などにより減速傾向。電機業界でも、中国市場の鈍化による大手メーカーが軒並み業績を下方修正」などと世界経済の環境悪化を懸念する声があふれています。同時に、「半導体製造装置はさらに落ち込みが続く。海外情勢の影響や消費税増税による消費の冷え込みなど、大変厳しい状況が続く」「消費税増税後の下期以降に景気減速が予測される」との声が寄せられ、産業界に消費税増税への不安が高まっています。

 3月14、15日開催の日銀金融政策決定会合では、消費税増税が景気に与える悪影響を懸念する声が出されました。一方、同会合では「断固とした追加緩和を行うべき」であるとする意見も出されました。

 消費税増税の景気悪化を「異次元金融緩和」の加速で対応することを求めるものです。

補正予算を想定

 政府の経済財政政策の司令塔である経済財政諮問会議では、3月27日の会合で、経団連の会長を含む民間議員から「機動的なマクロ経済政策をちゅうちょなく実行すべき」だとする意見が出されました。消費税増税の落ち込みに対して、補正予算で対応することを想定しているとみられています。

 消費税増税をすれば、景気をいっそう悪化させることはいよいよ明白です。消費税増税をストップすることこそ最大の景気対策です。(金子豊弘)

図

pageup