2019年3月14日(木)
陸自の海外共同訓練での「日報」作成・保管が判明
衆院外務委 穀田氏「全て明らかに」
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安保法制=戦争法の成立を受けて、陸上自衛隊が2015年10月1日以降に参加した海外での三つの日米・多国間共同訓練で「日報」が作成・保管されていることが初めて判明しました。原田憲治防衛副大臣が13日の衆院外務委員会で、日本共産党の穀田恵二議員に認めました。
「日報」が作成されていたのは、(1)米陸軍との「アークティック・オーロラ」(16年5月31日~6月16日、米国)、(2)米軍との「タリスマン・セーバー」(17年7月7日~19日、豪州)、(3)米豪軍との「サザン・ジャッカルー」(17年5月17日~28日、豪州)の各実動訓練。保管先と保有期間は、(1)(2)が第1空挺団で3年、(3)が第13旅団で1年です。
穀田氏は昨年4月26日、防衛省に対し、15年10月1日~18年3月末日までの陸自の海外共同訓練の「日報」を含む定時報告文書の保有状況を明らかにするよう要求。防衛省は、調査期限(昨年11月末)を大幅に超過し、今月8日になって調査結果を報告しました。
穀田氏は13日の質疑で、陸上幕僚監部運用支援・訓練部訓練課の「標準文書保存期間基準」に、共同訓練等を実施した部隊の活動記録や報告の保存期間は3年で、「活動の過程や実績を事後に跡付け、検証するために必要不可欠なもの」と位置づけていると強調。「陸自は海外で多くの訓練に参加している。なぜ『日報』を保有している訓練がわずか三つしかないのか」と追及しました。
原田氏は、陸自の海外共同訓練は「上級部隊への定期的な報告をさせることは一般的でない」と繰り返し、答弁を避けました。
穀田氏は、戦争法の施行を受けて陸自の海外訓練の内容は大きく変質し、他国との共同訓練も拡大していると指摘。「訓練の検証に不可欠な一次資料の『日報』を作成しないなどありえない。全てを明らかにせよ」と、防衛省に三つの訓練「日報」の全文と徹底調査を求めました。