2019年3月5日(火)
米韓大規模演習を終了
米国防総省発表 非核化協議を促進
【ワシントン=遠藤誠二】米国防総省は2日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相とシャナハン国防長官代行が同日、電話会談し、朝鮮半島有事を想定して毎年春に行われる最大規模の米韓合同軍事演習を終了させることで合意したと発表しました。規模を縮小した新たな訓練に切り替える方針です。朝鮮半島の非核化にむけた米朝両国の協議を促進させるためとしています。
終了させる合同演習は、指揮所演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォール・イーグル」。これらは昨年は規模を縮小して実施されました。韓国メディアによると、これまでの合同演習に代わる新たな訓練が4日、始まりました。
米国防総省の声明は、「鄭国防相とシャナハン国防長官代行は、最終的かつ全面的に検証された朝鮮半島の非核化のための外交的努力を支持し、緊張をやわらげるための決定だと表明した」と強調しています。
トランプ米大統領は3日、ツイッターで「韓国との軍事演習をやりたくない理由は、何億ドルものお金を節約するためだ。この時期に北朝鮮との緊張を緩和するのは良いことだ」と述べました。
2日の電話会談で鄭国防相は、2月27、28両日にベトナムの首都ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で合意に至らなかったことは「残念」だとする一方、「今回の首脳会談の結果をもとに、米朝両国がより精力的な協議を継続することに期待」を表明しました。
米韓合同演習をめぐっては、昨年6月に行われた初の米朝首脳会談を踏まえ、8月に予定されていた「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」などが中止されました。