2019年3月1日(金)
米朝首脳2回目会談
トランプ氏「生産的だった」
隔たり埋まらず 協議継続
【ハノイ=山崎伸治】歴史的な米朝首脳会談から260日ぶりにハノイで開かれた2回目の同首脳会談は、予定されていた新たな合意文書への調印を見合わせることとなりました。しかし会談後に記者会見したトランプ米大統領とポンペオ米国務長官は、双方の主張の隔たりを埋めるには至らなかったことを認めつつ、会談が成果のないものでは決してなかったことを強調しました。
「前進した」
「非常に生産的な2日間だった」。トランプ氏はハノイでの2日間の首脳会談について、会見の冒頭で述べました。ポンペオ氏も「昨年の首脳会談よりも前進した」と成果があったことを強調しました。
2回目の首脳会談では、前回の「共同声明」で約束された米朝関係の改善、平和体制の構築、非核化などの課題について、どのような具体化がなされるのか注目されました。ただ、双方の主張の隔たりを埋めるには至りませんでした。
昨年の首脳会談以来、「共同声明」の具体化に向けた協議で、米国は「完全な非核化」を、北朝鮮は経済制裁の緩和など「相応の措置」を求めてきました。
時に強い調子で相手を批判することもあったものの、2回目の首脳会談開催が本格的に議論されるようになってからは、新たな合意に国際的な期待もありました。
今回、合意に至らなかったものの、米側は今後について非常に前向きな姿勢を示しました。
関係は強力
会談前、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を「私の友人」と呼んだトランプ氏は、会見でも「正恩氏は大した人物だ。われわれの関係は強力だ」と強調。「私は楽観視している」と述べたポンペオ氏は、両国の協議には「時間がかかる」とした上で、「この先も作業を続け、前進を遂げたい」と積極的な姿勢を示しました。
会見では、次回の首脳会談の開催について、トランプ氏は明言しませんでした。ただ、ホワイトハウスのサンダース報道官は、予定されていた会談後の合意文書調印がなくなったことを発表する中で、「今回は合意に達しなかったが、双方は将来会うことを楽しみにしている」と表明。再会談の可能性を指摘しました。