2019年2月9日(土)
統計不正 大西・樋口氏参考人
与党 一切質問せず
何が何でも隠そうと…
統計不正・偽装問題で野党が招致を求めた厚生労働省の大西康之前政策統括官と樋口美雄特別監察委員長が参考人として出席するもとで行われた8日の衆院予算委員会。自民・公明両党は、それまで拒否していた大西氏らの参考人招致を認めたにもかかわらず、大西氏らに一切質問しないなど、真相究明に背を向ける姿が浮き彫りになりました。
特別監察委員会の報告書は、統計不正問題について「組織的隠ぺいの意図はみられない」と結論付けています。国会の審議や野党合同ヒアリングで、同委員会の関係者へのヒアリングを、厚労省職員が行っていたことが明らかになり、同委員会報告書の第三者性に疑問の声が強まり、現在「再調査」を行っています。
しかし、樋口氏は立憲民主党の大串博志議員の質問に対して「答弁を差し控えたい」と繰り返すなど、真相究明に背を向け続けました。「追加調査はどういうものか」「なぜ、(厚労省の職員の)事務方だけでヒアリングをしていいと認めたのか」など、疑われている同委員会の第三者に関わる重要な質問であり、責任者である樋口氏が答えるべきことです。
樋口氏が回答を“拒否”する理由は「独法の労働政策研究・研修機構の理事長として招致されている」ということです。野党は特別監察委員長として樋口氏の国会招致を求めたのに対して、与党は、独法理事長としてしか招致できないということにこだわりました。
定塚由美子官房長は、野党議員が樋口氏への答弁を求めたのに対して、「樋口委員長におかれましては、本日、JILPT(労働政策・研修機構)の理事長としてきている。委員会関係については私に聞いていただきたい」と国会の質問の答弁者を指定する場面もありました。直後に定塚氏は謝罪しましたが、何が何でも隠そうという姿勢を示しました。