2019年2月8日(金)
電磁記録すぐ提出を
統計データ不正 参院予算委で倉林氏
日本共産党の倉林明子議員は7日の参院予算委員会で、厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正による雇用・労災保険などの過少給付をめぐり、正確な追加支給額の確定に必要なデータの一部が見つからないとする政府に対し、統計に穴が開く前代未聞の事態だと追及しました。
厚労省は、2007年1月に調査対象を入れ替えた際に生じた前後のギャップ(食い違い)を補正するために必要な旧対象事業所の個票データがないために、再集計ができないとしています。
倉林氏は、16年12月の総務省統計委員会の部会で厚労省が調査票情報の保存期間の変更をどう説明したかと質問。藤澤勝博政策統括官は、紙の調査票は3年経過後に溶解処分するとし、「電磁的な記録媒体は1980年以降の分を保存していると説明した」と答えました。
倉林氏は「その説明が事実なら、なぜ07年1月の旧データだけなくなるのか。存在しているはずだ」とただし、根本匠厚労相は理由を答えられず、「確認の努力を続ける」と答弁。倉林氏は「保存責任者は厚労大臣だ」と述べ、統計情報という「国民共有の財産」の棄損は許されず、07年1月の電磁的記録媒体を早急に提出するよう求めました。
また統計不正で、18年の実質賃金の伸び率がほぼ全月でマイナスになるとの野党の独自試算に言及。厚労省も同試算を事実上認め、政府としての推計を「検討する」(安倍晋三首相)としながら、公表見送りの報道もあると追及しました。安倍首相は「検討している」との答弁を繰り返しました。
倉林氏は、世論調査で大半の国民が政府の説明に納得していないとし、「野党が要求する参考人招致や資料提出も拒む政府の対応そのものが『組織的隠ぺい』だ」と批判しました。