2019年2月8日(金)
「政権方針の大後退が起きている」
日ロ領土問題 志位委員長が指摘
日本共産党の志位和夫委員長は7日、国会内での記者会見で記者団からの質問に答え、安倍晋三首相が国会答弁や同日の「北方領土返還要求全国大会」でも、「日本の固有の領土」ともロシアによる「不法占拠」とも言わなくなったとして、「これまでの自民党政権の方針からの大後退が起こっているのは明らかだ」と指摘しました。
志位氏は、衆院本会議での代表質問(1月31日)で、日ロ領土交渉に臨む安倍首相の方針は歯舞群島と色丹島の「2島で決着」論――「2島で終わり」論ではないかと質問したが、首相は否定しなかったと強調。「最大でも2島で終わりで、国後、択捉の領土要求を放棄するものであることは、あの論戦を通じても、この間の一連の表明を通じても明らかだ。これは重大なロシア側への全面屈服であり、売国外交だ。絶対に認めるわけにいかない」と表明しました。
志位氏は、安倍首相の方針は「歴代の自民党政権の4島返還論ともまったく矛盾し、全部をひっくり返すことになる」と警告しました。
同時に、こうした無原則な取引に走る根本には、ヤルタ協定とサンフランシスコ平和条約での千島列島放棄を不動の前提とし、“国後、択捉は放棄した千島列島には入っていないから返してくれ”という長年の自民党政権の交渉方針の重大な問題点があると指摘。サ条約受諾演説で当時の吉田茂全権が「国後、択捉は南千島」だと言明している以上、この交渉方針は「通用しない論理だ」と強く批判しました。
その上で、「この論理を清算して、もっと根本にある領土不拡大という戦後処理の大原則に背く不公正な取り決めをただすという立場に立たないと、この問題は解決しないということはいよいよはっきりしてきた」と強調。首相の立場を問いただしていく必要があると表明しました。