2019年1月25日(金)
調査は「お手盛り」
閉会中審査
勤労統計偽装の特別監察委
毎月勤労統計調査の不正・偽装問題をめぐって24日、衆参両院の厚生労働委員会で閉会中審査が行われました。厚労省が設置した特別監察委員会は不正・偽装問題で関係者のヒアリング(聞き取り)などを行い、「組織的隠ぺいはなかった」と結論付ける報告書を22日に提出しましたが、調査自体が身内で行われ、事実が隠ぺいされている疑いがいっそう強まりました。
11人ヒアリング 内部職員が実施
特別監察委員会が行ったとされるヒアリングの中身が不正・偽装を行った厚労省の「お手盛り」だったことが明らかになりました。
参院厚労委で根本匠厚労相は、監察委員会が31人の職員のヒアリングを行い、そのうち課長補佐級以下の11人のヒアリングには外部有識者は同席せず、内部職員だけで実施していたことを認めました。「第三者」によるヒアリングではなかったことが裏付けられた形です。
根本厚労相は、ヒアリングは監察委員会が局長級11人、課長級9人、課長補佐級以下が11人、合計31人に行ったと述べました。監察委員会の外部有識者が何人の局長級と課長級の職員にヒアリングを行ったかについては、「現在精査中」と明らかにしませんでした。
質問をした立憲民主党の石橋通宏議員は「お手盛りの調査ではないか」と批判しました。
また、根本厚労相は監察委員会の報告書について「(厚労省の)事務方が(監察委員会の)議論をまとめた。(報告書の)原案をつくったというより、議論を整理したたたき台を出した」と述べ、「第三者」と言いながら監察委員会の報告書づくりに厚労省側が深く関与していたことを否定しませんでした。
与野党議員は「報告書の撤回を」「再調査をすべきだ」と追及。しかし根本厚労相は「第三者の立場から審議をいただいた。監察委員会に要請した役割は果たしていただいたと思っている」と述べ、再調査を行わない考えを繰り返しました。