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2019年1月25日(金)

きょうの潮流

 とうとうラーメンの開発に乗り出しました。連続テレビ小説「まんぷく」の話。このドラマのモデルは、世界で初めて即席ラーメンをつくった安藤百福(ももふく)、仁子(まさこ)夫妻です▼ときは高度成長期。大量に生産できて、家庭でもすぐに食べられるよう、百福さんは五つの目標をたてました。おいしい、保存できる、調理が簡単、安い、衛生的。脳裏には、戦後の貧しい時期に見た寒さに震えながら闇市の屋台に並ぶ姿があったと仁子さんは語っています(『チキンラーメンの女房』)▼もともと中国から伝わった麺料理が独自に進化したラーメン。大正の頃から各地にひろまり、庶民に愛されるようになったといいます。関東大震災ですべてを失った人たちが屋台を引き、それが全国に散らばっていったという説も▼しかし、そのラーメンが街中や食卓から消えてしまいます。戦争です。統制下で外食はぜいたくとされ、小麦粉の入手も困難に。多くの店も閉店に追い込まれました▼終戦後も飢えと食料不足がつづくなか、人びとは団結して声をあげます。「食糧メーデー」をはじめ、国民的な運動の盛り上がりが社会を動かしていきました。ラーメンも復活し、いまや国民食と呼ばれるようになり、世界にも普及しています▼激動の時代を庶民とともに乗り越えてきたラーメン。いまも被災地などでは身も心も温まる光景があります。食べることは誰もが生きていくために欠かせません。寒い冬。一杯のぬくもりと、ありがたみを感じながら、いただきます。


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