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2019年1月10日(木)

自治体の合意なければ再稼働できぬ

原電社長、6市村に説明 17年

東海第2の事前了解

 日本原電東海第2原発(茨城県東海村)の事前了解権をめぐって2017年3月、原電の村松衛社長が「自治体の合意が得られるまでは再稼働できないという覚悟を持っている」と発言していたことが、本紙の情報公開請求で明らかになりました。


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(写真)情報公開請求で入手した、原子力所在地域首長懇談会の様子をまとめた那珂市作成の「報告書」

 この発言は、同年3月24日に開かれた周辺6市村で構成する「原子力所在地域首長懇談会」(座長・山田修東海村長)でなされたもので、那珂市がまとめた同会合の「報告書」とする公文書から明らかになりました。

 同会合ではまた、6市村側の「合意形成には実質的に事前了解という解釈でよいか」との質問に、原電社長は「そのとおりだ。(中略)住民や自治体、議会に対し説明責任を負っている」と回答しています。

 事前了解権は、原発再稼働をめぐって、事業者が原発立地自治体と事前協議を行い、同意を求めるとするもの。茨城県では、昨年3月の新安全協定の締結で、事前了解権が周辺6市村にまで拡大されており、6市村の間では「一つの自治体でも了解できなければ先に進めない」との認識で一致しています。

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 一方、事前了解権について原電の和智信隆副社長は昨年11月7日、報道陣に対し「拒否権なんて言葉は新協定のどこにもない」と発言。周辺6市村首長が反発していました。公開された文書からは、原電側が当初、自治体との合意形成が事前了解に当たり、自治体の事前了解がなければ再稼働できないとの認識を示していたことが分かります。

 花島進・党那珂市議のコメント 大きな事故が起きれば、放射能が行政の境界で止まることはないので、周辺自治体の意向を配慮するのは当然。早く再稼働を断念すべきだ。


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