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2019年1月4日(金)

中教審答申案に教育現場から批判

“成果評価あり得ない”

“変形制導入は理解不能”

 教員の長時間労働の是正に向けた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の答申案とガイドライン案に、現場から強い批判が噴き出しています。中教審は月内に両案を決定し、文科相に提出しようとしていますが、中教審の委員からも異論が出る始末です。

 答申案は、教師の過労死が社会問題になっているとし「(過労死等の)根絶を目指して必要な対策を実施していかなくてはならない」と表明します。しかし、そこで出てくるのは、より短い在校時間で成果を上げた教師を評価する人事評価改革や、1年単位の変形労働時間制の導入。ガイドライン案も月の残業を100時間未満まで認める「過労死」容認の案です。一方、肝心の教職員定数の抜本改善や少人数学級の拡充には触れません。

 都内の小学校に勤める30代の男性教員は、在校時間の短さを評価する人事評価はあり得ないと憤ります。

 「夜7時、8時まで校務で追われ、そこから翌日の授業準備に入る。子どもの反応を予想しながら教材をつくるその時間こそ教員としての喜びを感じる『教員の本分』。月45時間を守ろうとすれば本分を削らなければいけない」

 子どもが保育園に通う女性教員は、夏休みなどの勤務時間を学期中に振り分ける変形制について「いまも会議などで迎えが遅れたときは延長保育料を払いながら働いている。変形制を導入すればますます子育てが厳しくなる。導入は理解不能だ」と語ります。

 昨年12月の中教審初等中等教育分科会で吉田晋・日本私立中学高等学校連合会会長は、「ガイドラインの通りに45時間でやるのははっきり言って無理だ。国の働き方改革なのだから国が予算で人を増やして教育を変えるしかない」と訴えました。


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