2018年12月29日(土)
野党合同ヒアリング167回
「国会空洞化」に対抗
21テーマ 共闘が前進 大きな成果
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野党が合同で省庁幹部・担当者などから聞き取りを行い、政策要求を突きつける「野党合同ヒアリング」は、政府・与党の「国会空洞化」に対抗する野党の国会共闘の前進を示す重要な取り組みです。今年、すでに21テーマで計167回(12月28日現在)も開催され、通常国会の「働き方改革」一括法の追及では、労働時間データのねつ造を暴き出し、裁量労働制拡大を削除させる大きな成果を上げました。
臨時国会では、外国人労働者問題や改悪漁業法、辺野古米軍新基地建設など政府提出法案や政策などに関する幅広いテーマで行われ、野党間の政策的な一致点を広げる場ともなりました。
衝撃的告発に注目
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野党は、外国人労働者受け入れを拡大する改定出入国管理法の合同ヒアリングに外国人実習生を招き、実習生の“生の声”を聞き取りました。「作業中の事故で指を3本失ったが、病院には自分で行けと言われた」「朝8時から深夜12時まで働かされた」「パワハラといじめを受けた」など過酷な実態を暴露した衝撃的告発を多くのメディアも取り上げ、拙速審議を批判する世論を喚起しました。
野党の追及で、失踪実習生の失踪動機や就労実態などを調査した「聴取票」の存在が明らかになりました。野党は2879人分の「聴取票」データの提出を要求。入国管理局は閲覧と手書きによる転記しか認めませんでしたが、野党議員が全聴取票を転記、集計した結果、失踪実習生の67%が最低賃金未満だった実態を暴露しました。
現場の声を聞いて
改悪漁業法の合同ヒアリングでは、宮城、香川両県海区の漁業調整委員などが、戦後70年にわたって漁業者の生活を支えてきた「海区漁業調整委員会の公選制」と「漁業権の地元優先原則」の廃止は大きな混乱を招くと批判。農林水産委員会の地方公聴会や現地視察さえ行われない中、野党は共同で宮城県に赴き、現場の漁業者の意見を聞きました。
新基地問題で抗議
沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設をめぐり、石井啓一国土交通相が県による埋め立て承認撤回処分の効力を「停止」させた10月30日、6野党・会派は予定していた同基地問題の合同ヒアリングに合わせて抗議集会を挙行。集会で謝花喜一郎副知事は「怒り心頭で、到底容認できない」と声を震わせて訴えました。6野党・会派の国対委員長は翌31日、防衛、国交両省に抗議するなど、基地問題での野党共闘も大いに前進しました。