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2018年12月26日(水)

主張

安倍政権復活6年

「学習能力」のなさがあらわだ

 安倍晋三氏が2012年末に首相に復帰して、第2次安倍政権が発足してから26日で6年になります。消費税の増税、安保法制=戦争法の強行、改憲策動と暴走に次ぐ暴走の連続ですが、景気の低迷は続き、首相が固執した自民党改憲案の国会提示はままならないなど、破綻は明らかです。自分の誤りを認め過ちを繰り返さぬ人たちは「学習能力」があるといわれますが、失敗しても破綻してもあくまで自説を押し通そうとする首相には、「学習能力」がありません。このような政権にはもはや、国のかじ取りは任せられません。

失敗しても破綻しても

 安倍首相の「学習能力」の欠如を何より端的に示すのは、消費税の増税です。安倍首相は政権復帰直後に「経済再生」重視の「アベノミクス」に踏み出しながら、14年4月に消費税の税率5%から8%への増税を強行、消費の低迷、景気の落ち込みを深刻化させました。もともと「アベノミクス」は大企業や大資産家を潤すだけで、国民の所得や雇用は増やしません。消費税増税で消費はいっそう落ち込み、今も回復していません。

 さすがに安倍首相も10%への引き上げを2回にわたり遅らせましたが、来年10月から強行しようとしているのは、失政の教訓から何も学ばないものです。十二分の対策をとるという、「軽減税率」の導入やポイント還元などは混乱を拡大させるものばかりです。プレミアム付き商品券の発行は、過去に行われた際に効果がないとされた愚策そのものです。

 「成果」が出るどころか、格差と貧困を広げた「アベノミクス」に、いまだに「道半ば」と執着し続けるのも、「学習能力」のなさを示すものです。

 沖縄・辺野古の米軍新基地建設に、県民が繰り返し「ノー」の審判を下し、本土でも反対の声がますます広がるのに、違法に違法を重ねる強権政治で埋め立て工事を推進しているのは、無反省の最たるものです。F35戦闘機など米国製兵器の大量購入と並んで、アメリカのトランプ政権への屈服姿勢というほかありません。

 自民党内でも異常なタカ派の安倍首相は、第1次政権以来、改憲策動を繰り返してきました。政権復帰後は、秘密保護法の制定や安保法制=戦争法の強行など憲法と立憲主義の破壊に拍車をかけ、昨年5月以降はいよいよ、9条に自衛隊を明記する憲法そのものの改定に乗り出してきました。

 国民が望んでもいない改憲を強行しようという策動が通るはずはありません。今秋の自民党総裁選時から掲げてきた、先の臨時国会に自民党改憲案を提示するというもくろみも実現できませんでした。それでも「気持ちは変わらない」(国会閉幕後の記者会見)と言い張る姿は、「学習能力」のなさを際立たせています。

低下する内閣支持率

 最近の世論調査では、「朝日」で3ポイント減、「読売」で6ポイント減、「毎日」で4ポイント減など、内閣支持率が軒並み低下しました。破綻を認めず、傲慢(ごうまん)姿勢の首相が、国民の支持を失っています。

 安倍首相が「学習能力」を高めるとは期待できません。失政の責任を取り退陣すべきです。来春には安倍政権が吉田茂政権を抜き戦後第2位の長さになるといいます。そんな姿は見たくありません。


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