しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年12月23日(日)

主張

19年度軍事予算案

「戦争できる軍隊」の道開くな

 安倍晋三内閣が決定した2019年度予算案で、軍事費は5兆2574億円(米軍再編経費などを含む)に達し、5年連続で過去最大となりました。重大なのは、安倍政権下で13年度の予算以降続く軍事費拡大に一層の拍車をかけようとしていることです。先に決めた新「中期防衛力整備計画(中期防)」(19年度~23年度)は、米軍再編経費などを除いた今後5年間の軍事費総額を27兆4700億円としています。現中期防(14年度~18年度)を2兆8000億円も上回る規模です。国民生活を犠牲にし、軍事緊張を高める大軍拡は許されません。

米製高額兵器を大量購入

 新中期防は、日本の軍事力の在り方や水準を定める新「防衛計画の大綱」とともに、安倍内閣が18日決定した軍備増強計画です。

 新大綱・中期防は、「多次元統合防衛力」の構築を掲げ、「従来とは抜本的に異なる速度」で軍事力を強化するとしています。同時に、安保法制=戦争法と一体の「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の下での日米軍事協力のさらなる強化をうたっています。

 安倍内閣が21日に決めた19年度予算案の軍事費は、その初年度に当たります。

 新大綱・中期防は、「いずも」型ヘリコプター搭載護衛艦2隻を最新鋭の短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機であるF35Bステルス戦闘機を搭載できるように改修し、他国への攻撃も可能な空母にすることを打ち出しました。これを受け、19年度は調査研究費として7000万円を計上しました。

 加えて新大綱・中期防は、日本領空や公海上空から他国を攻撃できる長距離巡航ミサイルの導入を明記しました。19年度は、射程900キロの対地ミサイル(JASSM)などを搭載するためF15戦闘機の改修を実施します(2機分、108億円)。

 「いずも」型護衛艦の空母化、長距離巡航ミサイルの導入などは、「専守防衛」を建前としてきた自衛隊を、米軍と肩を並べて「海外で戦争できる軍隊」へと変貌させる道を開くものです。

 トランプ米大統領の圧力を受け、米国製高額兵器の大量購入を決め、際限のない軍事費の肥大化を招いていることも重大です。

 安倍内閣は新大綱・中期防の下、米国製のF35ステルス戦闘機105機の追加導入を決めています。19年度はF35A6機(681億円)を調達します。既に決定済みの42機と合わせて147機体制(空軍仕様のA型105機、海兵隊仕様のB型42機)となり、総額は1兆5000億円を超える計算です。

 この他、米国製兵器として、19年度は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基(1757億円)、E2D早期警戒機9機(1940億円)、無人偵察機グローバルホーク1機(71億円)などが盛り込まれています。その結果、米政府から兵器を購入する「有償軍事援助(FMS)」は7013億円に上ります。

許されぬ辺野古埋め立て

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で民意に逆らって埋め立て工事強行などのため707億円を計上していることも大問題です。

 米国に追従し、「戦争する国」づくりを進める大軍拡路線を軍縮の方向へ抜本的に転換することが必要です。


pageup